文部科学省が「大学正規授業の業者委託は違法」と回答

<対政府交渉報告・第1回>

10月23日、政府との交渉が参議院議員会館で行なわれた。

組合側が提出した要請書に沿って行なわれた交渉の記録を数回に分けて掲載する。

ゼネラルユニオンは、これまでも適宜対政府交渉をもってきたが、本年は労働契約法や労働者派遣法・社会保険各法などの法違反の多発がみられるため、こうした課題が交渉議題の中心となった。

要請書は全国一般全国協とゼネラルユニオン・全国一般東京なんぶ・全国一般東京労組・福岡ゼネラルユニオンが共同で提出し、交渉は政府側から文部科学省、厚生労働省、日本年金機構の出席のもとに開催された。

本稿はそのうちの、大学授業の外部委託に関する文部科学省との交渉の議事録である。

交渉の中で文部科学省は「大学正規授業の業者委託は違法」と明言し、併せてゼネラルユニオンに対して、こうしたことが行なわれている大学名及びこれに関与している業者名の情報提供を要請した。

 

***

組合側が提出した要請書の該当部分の抜粋

大学でも、業者講師が、単位や学士資格にかかわる正規授業を単独で行っている。過去の衆院予算委員会における馳文科大臣答弁に沿い、偽装派遣=委託禁止通達を出されたい。

***

ゼネラルユニオンからの質問

「まだそんなに多くはないが、大学の授業を、委託業者に丸投げするようなことが起こっています。我々の理解では、このような委託は派遣法違反の問題であると同時に、大学での不正単位取得や大学設置基準違反の問題でもあります。外部の講師が一人で授業を行ない、テストや採点も委託業者の講師がやっています。その結果を大学に渡して、管理者と称する専任講師らが一括でハンコをつき、単位や卒業の認定を行なっています。こうしたことは違法ではないのですか。」

文部科学省からの回答

「それは、大学設置基準第19条に違反します。外部の教師の活用はあくまで担当教員の管理下に限られ、大学自らが授業を開設し、評価を拭込めて指揮命令しなければならなりません。」

***

ゼネラルユニオンからの質問
「英会話業界のマーケットが縮小しており、最近の5年間くらいで、民間業界の会社が、大学をターゲットにした、マーケッティングを拡大しています。
本省として、各大学対象に、実態調査をする予定はないのですか。
また、改めて通達を出すなど指導していく必要があると思われますが。」

文部科学省からの回答と要請

「ご指摘の通り、先般の衆議院でも『大学授業の業者委託は違法』と文部科学大臣も答弁を行なっています。また本省として、毎年の全国各大学対象の説明会でも、留意を促がしてきています。」

「語学関連の法違反が多いとは認識しています。ただ、各大学に調査をしても『違法な委託をしています』などの回答を自らしてくれるとも考えられず、検討中です。」

「実態把握は、色々な機会を使っての聞き取りを通じて行なっています。

可能なら、労組で把握しておられる講師委託の大学と業者名の情報を本省に提供してもらえないでしょうか。」

ゼネラルユニオンからの回答

「正規授業を業者委託にしているケースをゼネラルユニオンでは相当数把握し、大学だけでなく、派遣業者にも警告を発しつつ、当該業者とも団交も重ねています。

文部科学省・厚生労働省への情報提供は、後日検討のうえで、協力していきます。」

***


正規授業を業者委託にしている具体的事例の文部科学省・厚生労働省への提供についてはゼネラルユニオンとしては現時点では未定だが、当ホームページ上では「N大学とB社」、「K大学とS社」、「M大学・T大学とE社」、「R大学と各社」、「K大学とB社」のようなイニシャル表記で記載する。

***

参考

「大学設置基準第19条」

第6章 教育課程(教育課程の編成方針)

第19条

1 大学は、当該大学、学部及び学科又は課程等の教育上の目的を達成するために必要な授業科目を自ら開設し、体系的に教育課程を編成するものとする。

2 教育課程の編成に当たっては、大学は、学部等の専攻に係る専門の学芸を教授するとともに、幅広く深い教養及び総合的な判断力を培い、豊かな人間性をかん養するよう適切に配慮しなければならない。


メールアドレス:union(@)generalunion.org

日本語Facebook : www.facebook.com/GeneralUnionJP

英語Facebook : www.facebook.com/GeneralUnionJapan

 

Additional information