労組周辺動向 No.21 2017年11月03日現在

1. 法・政策

(1) 労働者の募集・求人が正しく行なわれているか:会社評価の基準の一つ

職業安定法の改正に伴い、2018年1月1日から労働者の募集や求人申込みの制度が変わる。

法に沿った正しい情報の開示や方法がとられているか確認を。

詳細はここで(日本語)。

 

(2) 個人事業主などの働き方の実態調査へ:法改正の必要性も検討―厚生労働省「雇用類似の働き方に関する検討会」

特定の企業と雇用契約を結んでいない個人事業主などの働き方について厚生労働省が設置した初めての有識者会議が開かれた。不当に低い報酬で働かされトラブルになるケースもあることから、厚生労働省は、働き方の実態を把握するため具体的な職種や働く時間などの調査を行ったうえで法改正が必要かどうかについても検討を進めることにしている。

詳細はここ(日本語)。

 

(3) 「ねんきん情報アプリ!!」の提供開始

厚生労働省は、特に若年層の年金加入者の増加を目指して「ねんきん情報アプリ!!」の提供を開始した。制度の説明、年金額の概算、ねんきん事務所へのナビゲーションなどの機能を持つ。

詳細はここで(日本語)。

 

 

2. 法違反・闘い

(1) エミレーツ航空の解雇無効、賃金など支払い命令

アラブ首長国連邦(UAE)の航空会社「エミレーツ航空」を解雇された元社員3人が同社を相手取り、正社員としての地位確認などを求めた訴訟の判決が10月23日、大阪地裁であり、裁判所は解雇を無効と判断し、同社に未払いの賃金(月33万~30万円)や賞与などの支払いを命じた。

3人は「上司によるパワーハラスメントの是正を求めるために労働組合を結成したのが解雇理由」と主張。大阪府労働委員会は昨年10月に不当労働行為と認め、同社が中央労働委員会に再審査を申し立てている。

 

(2) 名古屋芸術大学が組合活動の2教授を懲戒解雇―「運営妨害」が理由

名古屋芸術大学(愛知県北名古屋市)を運営する学校法人名古屋自由学院が、教職員組合の委員長と副委員長の教授2人に今月25日付で懲戒解雇を通知したことがわかった。法人は9月、2人に自宅待機命令を出し、組合が撤回を求めていた。

懲戒解雇通知書は、2人が「正当な事由なく大学の運営を妨害する行動を繰り返した」とし、「就業規則の懲戒事由に該当する」と結論づけていた。

組合は9月7日、「(法人の)理事会が評議会を廃止し、教授会規程を改正した」などとして、大学へ指導するよう文部科学省に陳情。同22日、法人は「職員の行為が懲戒に該当する」などとして組合正副委員長の教授2人に対し、40日の自宅待機を命じた。組合が理由を問い合わせたものの回答はなく、組合は「明確な理由がなく不当だ」と法人に撤回を求め、愛知県労働委員会に不当労働行為救済を申し立てていた。

 

(3) 「勤務記録改ざんされ、架空の休日が作られた」個別指導塾元講師が未払い賃金求め提訴

個別指導塾で講師をしていた男性が11月2日、勤務記録の改ざんなどがあったとして、運営会社を相手に2年分の未払い賃金約400万円を求めて、東京地裁に提訴した。

訴状などによると、この元講師の賃金は授業1コマ単位と事務時間の時給で計算されていた。同校にはタイムカードはなく、授業の度に講師と生徒がサインする「日報」などの記録で勤務時間を管理していたという。

元講師は、「授業時間の付け替え」という、勤務記録の改ざんがあったと述べている。夏休みの時期などはほぼ毎日、フルタイムで働いていたが、会社側の勤務記録では、授業記録が一部削除されていたという。代わりに、日報には覚えのない時間帯に「偽造サイン」がつけられ、本来なかったはずの「休日」ができていた。

このほか、授業以外の事務時間についても、多くの賃金が払われていないと訴えている。過去には、雇用保険が支払われていなかった(現在は支払い済)という経緯もあるという。

 

(4) 東北大雇い止め問題:総長が「むしろ人材集まる」と職員組合に回答

東北大が3,000人規模の非正規職員を2018年3月末以降、順次雇い止めにする問題で、里見進総長は同大職員組合からの公開質問状に対し「(来年度に導入する新人事制度で)むしろ本学に有能な人材が集まるという効果が期待できる」と回答した。

「学内で説明を重ね、混乱は起きていない」と結論付けた。

組合は9月に質問状を提出。同大の方針が不合理な雇い止めを禁じた労働契約法の理念を逸脱するほか、現場で混乱が起きて優秀な職員が集まらなくなるなどと指摘していた。

東北大は来年度、雇い止めにする職員らの中から職務などを制限した「限定正職員」を採用する。

 

3. 情勢・統計

(1) 総務省調査によれば男の育児時間はこの5年でわずか「10分増」

総務省が5年ごとに実施している「社会生活基本調査」の最新結果(2016年)が9月に発表された。

調査では、男性の育児時間はほんの少し増えた。夫が1日に育児にかける時間は49分。2011年の39分から、1日わずか10分だけ増えている。しかし、もっと増えたものがある。それは妻の育児時間。なんと、夫より多い23分増の3時間45分になった。

さらに、妻の「仕事」時間も増えた。5年間で33分増え、2時間2分となっている。前回調査からの5年間、幼児を育てる女性はいっそう働き詰めになっている。

この調査結果によると、「育児」「家事」「買い物」「看護・介護」をあわせた家事育児時間は、妻が7時間34分、夫が1時間23分。多くの夫婦で性別による役割分担が行われ、家事も育児も妻の仕事となっていることがうかがえる。

1日の「仕事」「家事関連」の合計時間は、夫が9時間5分、妻が9時間36分。外での賃労働と家庭での無償労働を合わせると、妻の方が長く働いている。

総務省「平成28年社会生活基本調査」(日本語)。

 

(2) 「平成28年 労働組合活動等に関する実態調査」公表

この調査から、現在の日本の労働組合とその活動のありのままの姿が大方読み取れる。

前進を願う労働組合の指導的幹部は、実情をつかみ前進の具体的契機を見い出すことが求められる。

詳細はここで(日本語)。

「平成28年 労働組合活動等に関する実態調査の概況」はここで(日本語)。

 

(3) 働き盛り世帯で年間所得300万円未満の割合が増加

世帯主が40代の働き盛り世帯で年間の所得が300万円未満の割合が増加していることが、厚生労働省の調査で分かった。

10月24日公表された「厚生労働白書」によると、世帯主が40代で年間の所得が300万円未満の世帯の割合は1994年の11.2%から20年間で5.4ポイント増加し、16.6%となった。

一方、世帯主が65歳以上の高齢者世帯では100万円未満の割合が減少し、200万円以上500万円未満の割合はおよそ6ポイント増加し、48.2%となっている。

「平成29年版厚生労働白書」(日本語)。

 

(4) 外国人実習の改善なるか―11月から新制度で介護職種が解禁され人権侵害に罰則

外国人技能実習生の実習期間を5年に延長する技能実習適正化法(外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律)が11月1日に施行され、新制度が始まる。外国人技能実習制度は1993年に始まったが、基本理念や全体の枠組みを明文化したのは初めて。実習生を「安価な働き手」として利用している実態が国際的に批判されており、受け入れ企業や団体への規制強化や人権侵害行為への罰則も設けられた。

新制度では技能実習の職種も77種類に拡大され、初めての対人サービスである「介護」が加わった。

 

(5) 日本114位、過去最低 世界の男女平等ランキング:世界経済フォーラム

世界経済フォーラム(WEF)は11月2日、世界各国の男女平等の度合いを示した2017年版「ジェンダー・ギャップ指数」を発表した。日本は調査対象144カ国のうち114位と前年より3つ順位を落とし、過去最低となった。女性の政治参画が遅れているのが主な理由。

同指数は女性の地位を経済、教育、政治、健康の4分野で分析し、ランキング化している。

日本は女性の閣僚や議員の少なさが目立ち、政治は123位と20も順位が下がった。10月22日の衆院選では定数の約1割にあたる47人の女性が当選したが、海外と比べると政治への進出は遅れている。

2017年版「ジェンダー・ギャップ指数」(英語)。


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