雇用契約書の中の間違いは法的拘束力を持つのか?

数週間前にことだが、ゼネラルユニオンに珍しい問い合わせがあった。

雇用契約書の中に一か所間違いがあって、そこを訂正して新しい契約書を作ったという。
だが、この新しい契約書には、別の新しい間違いがあった。その間違いとは、労働者の月給が以前より5万円多く書かれていたことだった。

もちろん、5万円多いことは労働者にとっては実にありがたい間違いである!

だが残念ながら、実際には労働者の月給が増えることはなく、その金額は以前通りに落ち着いた。

雇い主と労働者の双方が、この「5万円多い」記載がある二つ目の契約書にサインしている。では、労働者はこの金額を守るように雇い主に迫ることは可能だったのだろうか?

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「無期転換逃れ」との闘いは会社の法違反全般を点検・是正するいい機会

2018年4月1日から具体化が始まる、改正労働契約法に基づく有期契約労働者の無期契約への転換については、ゼネラルユニオンはこれまで、これらから逃れようとする会社・組織との闘いの報告、闘いの糧となる関係法や資料の紹介や解説などを記事として取り上げてきた。

「雇用の安定=無期雇用への転換と文科省からの2通のメール」

「無期契約への転換逃れの悪知恵は破砕できる」

「同志社、「無期転換」についての威嚇を撤回」

「樟蔭学園が労働契約法に違反し講師を一斉に雇止め」

などがその一部である。

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無期契約への転換逃れの悪知恵は破砕できる

約5年前の2012年8月3日、改正労働契約法が国会を通過して成立した。同法はその1週間後の8月10日に公布され、同時にその大部分が同日施行された。この改正の最大の焦点であった第18条―有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換させる―は2013年4月1日に施行された。「研究者」などを対象とした「無期転換は10年を超えてから」という「特例」は別の法律の下、更に1年後の2014年4月1日に施行された。

この「有期労働契約の無期労働契約への転換」は、その実行が2018年4月1日から可能となる。この転換は雇用の安定・確保という意味では、非正規労働者にとっては望ましいものである。同時にこれは、非正規労働者を安いコストで雇い、都合が悪くなれば簡単に解雇できる状態を維持したい経営者にとっては望ましくないものになる。だから現に、非正規労働者のいる全国の労働現場では、この転換の権利の確保を目指す非正規労働者と、この権利を与えたくない経営者との間のせめぎ合いが日を追う毎に広がり、激しさを増している。その実例については、本ホームページでも紹介してきた。

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文部科学省の2018年度「外国語教育における新学習指導要領」

「最後は何とか万事うまくいく」という考えのままで、文部科学省は全国の小学校での英語教育を抜本的改革する計画を推進している。

現在から2020年度までを対象期間として、文部科学省は先頃「外国語教育における新学習指導要領の円滑娱施に向けた移行指直」計画を発表した。

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もし追い出されそうになったら……

「そんなことは他人事だ」と思っておられたかも知れない。だが、あなたにも起こり得る。あなたの会社が理由もなしにあなたを解雇することを決めたとしたら。

このことだけでも悪い出来事だが、加えて会社は「週末までにこの『会社のアパート』から出て行け」とやかましく要求するのである。

会社は、「法的に問題なく」あなたを追い出すことができるのだと言う。あなたは本当に出て行かねばならないのだろうか?

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労働基準法と労働組合法―その違いは?

太郎さんは小さな英会話学校で、常勤として週40時間働いています。ある日彼は、日曜日の午後に行われる「夏のバーベキュー大会」に参加するように言われました。経営者は太郎さんに、招待している生徒達と同じように参加費を払うように求めました。太郎さんが、いくらかの給与は払われるのかと尋ねると、経営者は「あなたは常勤なのだから参加することが必要だ」と答えました。一週間目いっぱい教師として働いた上に、太郎さんはこのイベントに参加しなければなりませんでした。代休もありませんでした。

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確認しよう「労働契約法第20条」

正規・非正規間の格差は、日本の労働者が抱えている中心的な問題の一つであると言われて久しい。そしてこの格差解消は、とりわけ非正規労働者にとっては何にも増して切実な課題である。

そのためには、あらゆる役立つ「道具」を活用した取り組みが不可欠だ。

2012年8月10日に「労働契約法」の改変が公布された。ここにはいくつか「使える道具」がある。

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「残業上限規制」政府案は「過労死容認」案である


「働き方改革」の中心の一つとされる「残業時間の上限規制」についての政府案が決定された(全文はここ)。

以下がその主な内容である。

(1) 原則は「月45時間以内、年360時間以内」。

(2) 繁忙期などの特例として、年間の上限は「720時間(月平均60時間)」。

(3) 月45時間を超えられるのは年間6カ月まで。

(4) 忙しい時期の上限は「2~6カ月の平均でいずれも月80時間」。

(5) 特に忙しい月の上限は「100時間未満」。

(6) 「休日労働」は残業時間とはみなさない。

(7) 「インターバル制度」を「努力義務」とする。

(8) 実施から5年後に見直しを検討する。

 

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雇用の安定=無期雇用への転換と文科省からの2通のメール

まだ知らない方もおられるかも知れないが、2013年4月に「労働契約法」が変わり、「有期契約を反復して雇用期間が通算5年を超えると、労働者の申し入れによって有期契約が無期契約に転換できる」ことになった。つまり、2018年4月1日時点で複数回の有期契約によって雇用期間が通算5年を超えた労働者は、会社に申し込めば無期雇用になるのだ。

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ゲイの権利が職場で前進

兵庫県の医療施設で働くゲイの労働者は、同性のパートナーと養子縁組し「家族」とはなったが、異性間の結婚では対象とされる冠婚葬祭の福利厚生や特別休暇は与えられてこなかった。

そこでこの労働者は職場に働きかけ、その結果この4月から就業規則の内規の中の「結婚」の定義が変更され、現行の「法律婚」に「事実婚」と「同性婚」とが加えられる。

確かな一歩前進である。

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日本在住の外国人のための遺言書と遺産相続セミナー

母国に帰ったとしても、ちゃんとした計画をせず、遺言書も作らないためにその死後家族に大混乱をもたらす人は実に多い。ましてや日本では、そんなことは考えない人、あるいは「自分にはやりようがない」と何もしない人の割合は、多分更に多いだろう。

組合員からの問い合わせを受け、我々は英語で質疑応答を行なってくれる弁護士と相談した。9月のいずれかの日曜日に、大阪でセミナーを開催できる見通しである。

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働く親の権利:確認しよう

女性に出産前後の休暇が認められていること(育児休暇は両親共に)は大多数の方々がご存知です。でも、育児負担軽減のために以下のような諸権利もまた法によって認められていることについては、ご存じないかも知れません。

最新の「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(通称「育児・介護休業法 」。全文はここ )の一部を紹介し簡単に解説します。

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ある教育委員会のマタニティ・ハラスメント

妊娠は、女性の生涯の中で幸福と喜びの時だと考えられている。また同時に、その期間に女性達は母になる道を歩むのだから、健康、お金のこと、職場の状況、人間関係などにとりわけ気をつけなければならない期間でもある。

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「ポケモン・ゴー禁止」は合法なのか?

最近我々の元に、ある公立学校の日本人の新人教師から興味深い問い合わせがあった。

質問

私は普段、駅から学校まで歩いています。そしてこの徒歩通勤の間に時々、iPhoneでポケモン・ゴーのようなゲームをやったり音楽を聴くこともやっています。最近のことですが先輩に呼ばれ、誰かから学校に電話があり、私のその行動について問題だと言われたそうです。それで私は(当然?)、電話を使わないように命じられました。

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権利とその行使を考える - 有給休暇

有給休暇:法と職場の現実

2016年7月24日版の英字新聞 The Japan Timesに掲載された記事 "Questions About Paid Leave"(有給休暇についての問題)は、有給休暇に関する法律について非常に適切に概括している。だがしかし、この記事について考える際には、法が保障しているものと職場環境の現実とを比較してみなければならない。

 第一に、我々は労働組合として、有給休暇の取得を敵視しているような職場では「権利だから」というだけで好きに取得すること(この記事が勧めているように)は推奨しない。というのは、そうすることが経営者に、仕返しとして様々な「別のこと」であなたを脅す方策を与えることにもなるからである。

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違法な契約条項 (Part IV) - 5年間の競業避止

「労働者からの搾取 虎の巻」の本の中から経営者が「使える」最も上等な仕かけの一つが、従業員の生計を脅かすことである。

T従業員が自らの権利を求めて立ち上がろうとする時、こうした脅しが発揮する効果は大きい。経営者が契約書の条項を難解な用語を使って、もっともらしく作っている際にはとりわけそうである。

「違法な契約条項」シリーズの第4回では、あなた方が自らの権利を知らないとこうした脅かしがいかに怖く感じられるのか、そして、法はこうした経営者の態度はこけおどしに過ぎないのだ、ということを明らかにしているのだということを見てみよう。

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違法な契約条項 (パート3) - BL Kids International School

契約に関して争いになると、「契約に同意しないのならサインしなかったはずだ」という者がいる。これは最も腹立たしい言い草の一つである。

こんな考えは、罪を犯した者が受けるべき非難をその被害者に向けるものに他ならないからである。

単にあなたが契約にサインしたからと言って、それは、あなたがその契約の中の違法な条項に同意したことにはならない。

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違法な契約条項(パート1):ジョイトーク/Joytalk

 いくつかの国では、契約が違法な条項を含んでいればその契約全体が無効となる。しかし、驚かれる方もおられるかも知れないが、日本ではそうではない。

 

契約が違法な条項を含んでいても、その契約自身は有効とされる。もっとも、問題の違法な条項は効力を持たず常に該当する法の条文がそれにとって代わる。

 

このことを踏まえ、ゼネラルユニオンは日本の派遣会社、英会話学校やその他が提示する、外国人に署名を求める契約の中にある様々な違法な条項を指摘する記事をシリーズで掲載しようと考えている。

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労働委員会は救済機能を放棄したのか!?最近遭遇した2つの事件で感じたこと

最近2つの事件で敗訴となった。1つは不誠実団交に関わるものであり、もう1つは背景資本-実質経営者にかかわるものである。

①一定の説明を行ったと中身を問わずに会社を免罪(大阪YMCA事件)

黒字部門の閉鎖に関わる事件で、閉鎖の合理的理由が問われた案件だった。経営の説明は、財政については「収入で経費を割り振る」という通常時の方法で行ったもので、赤字にしかならないものであったし、他の理由は「リスクがある」というもので、その中身は言わなかった。府労委は、組合もその部門が赤字と認識していたと、とんでもない事実誤認の上に「一定の説明をした」とし、中労委は「組織変更のような経営事項は経営者が一方的に決定しうる。協議事項でないと経営が言ったのは団交拒否ではない。また一定の説明を行っているから不誠実ではない」と断じた。これでは、事業再編で閉鎖される場合、いい加減な資料さえ出しておけばよし、となる。

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労働者派遣法改悪反対で諸行動

大阪労働局申し入れ、FAX要請、共同街宣…

10月28日、衆議院本会議で労働者派遣法「改正」案の趣旨説明がされ、厚生労働委員会に付託された。厚労委は水・金が定例会議で、悪くすれば11月7日に強行採決される可能性がある。とはいえ、あまりにも短い審議日程に与党内にも慎重意見があるし、さらに公明党がいまいち意味不明な修正案を提出(その後に撤回)するなどのゴタゴタがあり、その行方は何ともいえない。ともあれ、いまの政権が労働者の権利よりも経済活動の自由度を重視していることは明白だ。

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「労働時間理由による非正規の社会保険加入拒否は違法」。ゼネラルユニオン組合員が国を訴え。9月12日13時東京地裁522号へ結集を。

厚生年金法や健保法では、労働時間等での制限がなく、誰でも加入できるハズなのに、「週30時間が加入要件」だとした法的根拠のない慣行が横行しているこ とである。これは1980年当時の、旧社保庁の、内かん【通達ですらない】が、「同種労働時間のおおむね4分の3以上」を加入促進キャンペーンの目安とし た事から、間違いが拡大してきた。悪質企業は、週29.5時間で雇い、年金事務所の窓口や審査会に於いてですら、「内かん」を根拠にした加入拒否が後を絶 たず、混乱している。

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年休など労基法=労基署での攻防

ゼネラルユニオンには,組合員かどうかを問わず,毎日平均して10人くらいの方からの相談を受けます.労働問題の中でも,労働基準法について相談が多い.一番多いのは,年次有給休暇【年休】や残業手当がない,解雇や契約更新拒否された,雇用保険がない,などである.

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契約書の内容

契約書に書かれていなければならないことは何かという質問がありました.

労基法では,「労働条件を明示しなければいけない」ということが,定められています が,それは,必ずしも「契約書」(通常,労使双方が署名捺印)とは限らず「労働条件 通知書」(通常,使用者からの一方的な通知)といった形になる場合もあります.

なお,日本では従来「契約書」はあまり重視されておらず「契約書」なしに働くのが普 通でしたが,近年,「契約書」の作成が増える傾向にあります.

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時間外労働割増賃金

通常の賃金を100としたとき,以下の場合には,それぞれの割合以上の割増賃金を支払わなくてはなりません.

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全額払いの原則

労基法24条1項で賃金の「全額払いの原則」が定められているが,以下の場合は適法であるという通達が出ている(昭63.3.14基発第150号).

つまり,それ以外の場合,例えば,1日の労働時間の30分未満の端数を切り捨てる,などは違法であり,全額支払わなければならない.

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産休

妊娠・出産に関して,労基法第65条で以下の産休の定めがあります

【産前休業】

出産予定日の6週間前(多胎妊娠=双子など=の場合は14週前)から休業を請求でき,請求があった場合,断ることはできません (労基法第65条).

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労働契約法 (08/3/1施行)

第1章 総則

(目的)

  • 第1条 この法律は、労働者及び使用者の自主的な交渉の下で、労働契約が合意により成立し、又は変更されるという合意の原則その他労働契約に関する基本的事項を定めることにより、合理的な労働条件の決定又は変更が円滑に行われるようにすることを通じて、労働者の保護を図りつつ、個別の労働関係の安定に資することを目的とする。

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失業給付の額と失業給付中のアルバイト

再就職したのに、失業保険を受け取り続けることはできませんが、小額であればアルバイトなどをしても、失業保険は受け取ることができます。ただし、減額されることがあります。

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労働相談マニュアル

あなたのご相談と,加盟を心より歓迎致します.問題が,すみやかで納得できる解決が得られるよう,下記の事項をご理解下さい.がんばりましょう.

1―労働相談とユニオン加盟

まず,ゼネラルユニオンの事務所においで下さい.  場所は,大阪地下鉄の谷町線,または,京阪電鉄の,「天満橋」駅で下車,天満橋を渡って,天満橋筋を200mほど直進すると,右手に六甲天満ビルがあります.その2階です.ビルの入り口には「豫苑」という中華料理店の赤い看板があります.

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労働組合法

組合作り・不当労働行為

「日米英語学院での組合づくりの教訓」

個人の労働相談を解決する方法は,組合作りにある.職場で仲間を募り,支部をどう作るかにかかっている.日米英語学院では,93年に天王寺校で最初の組合加盟があり,97年に梅田校を中心に28人が組合員になり支部を結成した.日本人の女性スタッフも加入するなど,ほぼ全従業員が加盟のケースであった.支部正式結成までに数度の会議をやり,次第に組合員が増えた.要求は,それまでなかった法定の年休の実現が中心であった.結局,組合結成通知書と要求書を提出した.

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契約・就業規則・協約・団交・スト

雇用契約

雇用契約には、業務内容・時間、休憩・賃金・退職など、明文化すべき事項が労基法15条で規定されている。その反面、「口頭での契約も有効」との解釈もあり、これでは「言った言わない」のトラブルは必至である。そのため採用時には、必ず雇用契約を確認し、よく内容をチェックしてから、サインをしよう。一方、使用者には「労働条件通知書」を労働者に手渡すことが義務づけられており、これらは後日の証拠として保存しておくべきである。【職安の紹介状・、求人募集の広告・賃金明細なども保存しておいた方が良い】

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