学校法人立命館で労働基準法違反が発覚

労働基準法入門編のような話からはじめよう。

残業を合法的に行なうには、会社であれ学校であれ所定の手続きを経なければならない。

労働基準法によれば、全従業員の(全投票者の、ではなく)過半数によって選ばれた従業員代表が残業の協定に署名することが必要とされている。つまり、選出されたこの従業員代表は残業を行なうことを認める、あるいは拒む権限を持っているのだ。この従業員代表を適法に選出しない限り、1日8時間以上の労働も週40時間以上の労働も認められず違法となる。

現実には、この従業員代表は会社側が法律の要件を満たすために仕立てたカイライのような人物であることがしばしばである。残業協定に「否」と言い、残業を全て止めるような肝の座った労働者はなかなかいるものではない。

従業員代表は雇い主と渡り合うだけでなく、暮らしのやりくりのためには一定額の残業代が必要な同僚達の立場にも立つこととなる。

最近、京都上労働基準監督署が2017年に行なわれた衣笠キャンパスの労働者代表選挙を調査し、その結果、この選挙によって選ばれた代表は従業員の過半数によって選ばれたとはみなされず、従って、残業協定は無効とされたのである。

これはいったいどういうことなのだろうか。

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推測してみよう。労働基準監督署が立命館に調査に入った理由についてははいく通りかの可能性が考えられる。

i) 労働基準監督署は以前から立命館の別件の労働基準法違反の調査を行なっており、この「比較的軽微な問題」を取り上げることでその他の件でも法を遵守するように仕向けようとした。

従業員代表選挙は容易ではなく、大学が従業員に投票を強制することは不可能である。

だが、全従業員の過半数が代表に投票しなければ学校であれ会社であれ残業を行なうことはできない。

実際にはこの従業員代表選挙を調査してみれば、その多くが無効となると思われる。

 

ii) 別のありうることは、労働組合あるいは個人が労働基準監督署にこの件の調査を強く求めた、ということである。

会社との交渉が膠着状態になった際に、労働組合が会社の経営を綿密に調査し、違法な点を探しだし、それを事態を動かすテコにする場合もある。

経営側に「軽微な」法違反を知らせることで、組合は会社に「我々は本気だ」とうメッセージを送ることができるのだ。

今回の立命館の件の全貌は、いずれ時が明らかにするだろう。

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京都新聞の記事はここから。


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