公務員の労働三権は

まともな闘う労働運動が少なくなってきている昨今、民間だけでなく、官公労でも、かつてなかったような「不当処分」が続発している。国労へのマル生攻撃を上回る人権問題ともなっているが、総評なきあとの官公労労組が反撃の体制がとれていない。それどころか、全逓のように4・28解雇処分を追認したり、中労委で暴言を吐くなど腐敗している。

また、定員外職員といった「臨時公務員」が激増しており、これらの制度の問題点は、雇用の差別性だけでなく、団結・争議権をも、著しく制限している所にもある。そのため、公務員労働者ひとりが、やむなく、独立労組を結成しても、当局は、団交拒否など労組活動を否認してはばからない。

だが、果敢な郵政労働者の提訴で、公平審には怒りが充満している。一方、旧公労委・国労委の中労委に、設立以来四年間で申立てがあったのは近畿・九州などほんの一部である。旧公労協単産の民営化と右傾化で機能を形骸化させたうえ、審問や命令が一件もなく、「調査」という形で、何年も引き延ばす現状となっている。

 

国労を見るまでもなく、「民間」の地労委・中労委の反動化も、由々しき事態であるが公務員労働者は、処分が連発されているのに、不当労働行為の救済方法さえ、定かでないといった、前近代的状況で放置され、実質団結権さえ危うくされてきた。こうした矛盾を最も象徴しているのが以下の諸点である。

●戦後労働法の原点は何か?
●自治体職員や国家務員に、労組法・労基法は適用されているのか?不当労働行為はどこで救済されるのか?
●公務員に、行政訴訟・民事訴訟の権利はあるのか?

「労組法上の労組」にはなれず、玉虫色で生きてきた自治労・日教組と、それを軸とした「総評」である。スト権奪還ストを打ち抜き、かつ敗北する過程の混迷から、埋もれた権利が今甦るかに見えて、そのまま、いや後退さえして、現在に引き継がれている。

戦後労働法で、あいまいにされてきた部分が、今ごろ深刻な問題なってきた。この瞬間に、弾圧に屈せず闘う、郵政労働者や臨職の仲間を支援することが、問われている。ここまで風化した現在、公務員労働法に詳しい学者や、法律家、活動家も多くはない。そこで、現場で共に苦闘してきた公務員労働者・臨職労働者・関連労組・弁護士の仲間が職場での経験や、民間の戦術などを生かしながら、制度を突破していく必要に迫られている。憲法の労働基本権は、本来普遍的であるべきものであるのに、わかりにくくバラバラにされている。

「今ごろ、なぜ」という声もあったが、研究会は開始された。そして、今度、九○年秋から、大阪で開催されてきた定期的な「公務員の労働三権を考える研究会」による、各職場実態ヒアリング・シンポジウム・課題別研究会などの成果を、提起させて頂くことになった。