「府労委の公的通訳制度」を実現

昨今、全国一般全国協や各ユニオンで、外国人組合員の関与する争議が増え、労働委員会への申立も目立ってきた。しかし、申立・書証・審問などのすべてに、日本語の翻訳・通訳を「申立人の自己責任」でつけることが前提になって
いた。労働委員会規則にも、そんな国籍条項はなく、行政の救済機関としてはあるまじきハードルといえる。また当事者が通訳考を用意しても、相手側から「故意の誤訳だ」と抗議されるなど、通訳内容と、日本語速記に偏りが生じ、審問が混乱するばかりであった。

大阪地労委では審理と命令に11~2年かかるという致命的状況のほか、「証人の腕章の規制」「組合側参与委員を、労働委員会に申立しない『連合』に独占させ、全労協やユニオンに割り当てない」「申立人に参与委員を指名させない」といった、みっともない諸問題も山積している。

 

そこで数年前から、おおさかユニオンネットワークとして大阪地労委に「公的通訳制度」を要求し、再三の、対地労委交渉をもってきた。府労働部・地労委事務局・公益委員会議、などの責任転嫁やタライ回しもあり、最後は「府の財政危機」まで持ち出す始末であった。そして昨年は、大阪教育合同労組が「労組として、通訳を敢えて用意せず、英語のみの証言」を強行し、審問中止という事態も発生した。
そしてとうとう大阪地労委は、われわれの要求を受け入れ、「地労委が公的通訳者を雇用し、審問の通訳を公費で担当する」ことが、この年度末に確認された。

この初めての審問は「日米英語学院事件」となった。これはゼネラルユニオンの争議の一つで、組合つぶしと外国人組合員3名の解雇事件であり、2月25日には「ポール支部長の解雇係争のため、会社はその日本在留をさせなければならない」といった「実効確保命令」も出ている。もう1人の被解雇者であるコーリー組合員を証人とする3月7日の審問が、大阪地労委としての最初の公的通訳制度の実施となり、「会社に勝つ前に、地労委に勝ってしまった」ことになる。