事前協議制について

全国一般東京南部が訴えた「都立国際高校の団交拒否事件」は、石原都知事宛の不当労働行為命令が03年に確定しているが、画期的内容を含んでいる。「11か月契約の指導員?と市民講師?ぼ、来期雇用と労働条件の団交を拒否するのは違法」との判断である。
曰く、
「契約は、随時的・一時的なものではなく、反復更新を予定」
「講師らは、次年度も引き続き任用される可能性が、具体的に存在」

「教委の予算見積もり以前に、団交に応じなければならない」
「指導員の『委託契約』は、教委が指揮管理している実態判断から、労働者性あり、と判断する」     としている。

 

ゼネラルユニオンの多言語相談センターセンターに来る大半の労働者は、有期雇用である。そのため、「更新が心配。突然雇い止めされた。労働条件が一方的に改悪された」などが圧倒的である。突然の解雇には、突然の争議しかなく、毎年の年末や年度末は、首切りと闘いのラッシュである。
だが、現在のゼネラルユニオンのように、労組員は増加し、各社・各校毎に労組支部が結成されてくると、より安定した集団的労使関係の統一要求が生まれた。

◎次年度雇用・事前協議協約の例
「翌年度にむけ、雇い止めや労働条件変更の可能性がある 場合は、夏休みまでに情報を提供。カリキュラムや担当コマ日時で調整の必要がある場合は、10月中に、それぞれゼネラルユニオンに通知し、事前交渉を持つ」

また、関西中心ではあるが、大阪工大・樟蔭大・京都精華大・聖母女学院では、この労資慣行が成立し、さらに、各大学にも協約化の要求をしているところだ。この協約と労使慣行ルールにより、有期労働者の不安は除去され、生活安定に寄与している。半面、使用者側も、今まで、労働法も知らない教授会の横暴に任せて、労働者を使い捨てにしてきたことを反省するなど、大学本部とユニオン本部の事前協議で、争議が避けられる、と考えたようだ。

◎労使間の苦情処理協約の例
「使用者は、ゼネラルユニオンからの『労働トラブルの苦情』を受信すると、約10日以内に、指摘された事項の調査をし、結果と回答を、ユニオンに返信しなければならない。」

毎日数えきれないトラブル相談が寄せられる中で、本人が希望した場合、労組加盟を前提に、トラブル解決の要求をその場で作成し、労組本部から使用者の本部に、FAXやメールで「苦情フォーム」を送り付ける。これは、社内苦情処理ではなく、労使間外部苦情処理であり、語学や大学などの業界におけるユニオンの社会的権利でもある」

ほとんどは、1-2回労使間を往復すれば解決する。しない場合は、団交や争議に移行していく。当方からは、本人からのヒアリング結果と「事実なら、こんな法律に触れる」などの意見を送る。使用者からは、「調査の結果、事実でしたので、謝罪と是正をする」「誤解ですので、当事者間で再協議を」などの返信がくる。ユニオンは、結成当初は、苦情も団交議題としてきたが、相談が余りに多く、労使とも疲弊し、解決にも時間がかりすぎたため、このルールが考え出された。

現在では、団交議題は、統一労働条件や権利要求が重点である。会社側にもメリットはある。ユニオンからの苦情は、全国各地の自社の最前線情報なのである。語学最大手の社長は「私は裸の王様だ。管理職はトラブルを報告してくれない。ユニオンが最も当社の職場実態に詳しく、その情報に感謝している。良い解決をするので、遠慮なく送信してほしい」との感想を、山原委員長に伝えた。

他方、「問題があれば、ユニオンに行こう」と、ゼネラルユニオンのアドレスをチェックしながら働く従業員を、会社が制止するわけにもいかず、労務管理をユニオンに丸投げした感さえある。