語学講師派遣会社の献金疑惑が波及―札幌市教委が語学講師切り

遠藤利明・五輪担当大臣への疑惑の献金が発覚した語学講師派遣大手インタラックの問題が、今度は札幌で、外国語指導助手(ALT)の契約切りと英語授業の中止に波及した。
インタラックは、札幌市教委から65名の英語ALT講師を委託されてきたが、2016年度の入札に失敗し、現職講師全員が働けなくなった。NOVAが落札し、「札幌市で働こう」と募集したが、講師募集は難航。全国の駅前校から札幌への配転も行い、何とか数を合わせた。その内の十数名は、「札幌市で働き続けたい」ため、インタラックを退職しNOVAに転職する予定の者だった。
だがインタラックは、NOVAへの転職を妨害し、報復を恐れた講師達は、NOVAへの就職を断念することになった。
その結果、「講師65名」が揃わなくなったNOVAに対し、市教委は「入札条件違反」として、4月28日に契約を破棄し、5月2日から授業(就労)予定だった全員を路頭に迷わせた。すでに確定していた講師の雇用(授業)だけでも 確保し、追加募集する方法もあったはずだが、結局、両業者の「現職と新採」全講師が失職し、教職員や保護者からは、突然の授業中止への抗議が集中している。
NOVAはゼネラルユニオンとの団交で謝罪し、「札幌への引越費用と、100%の休業補償」を回答しつつ、「インタラックの妨害で契約破棄にされたことに、法的手段で争う」と表明した。 「委託は違法であるが、派遣でも入札の混乱がめずらしくなく、「毎年全講師が入れ替り、雇用や教育の継続性が確保されない」という根本問題がある。だからゼネラルユニオンは、派遣法違反の摘発と並行して直接雇用を全国各教委に要求し、文科・厚労省も「ALTは直接雇用が望ましい。委託は違法」と通達している。
インタラックからの遠藤五輪担当大臣への献金疑惑は、このお目こぼしの口利きの見返りではないかと国会で追及されている。札幌市教委はそうした業者と委託の入札を続け、ここにきて問題が表面化したのだ。
授業の大規模な中止に驚愕した市教委は、1学期を断念しつつ、 ユニオンの直接雇用化要求を無視して、緊急の再入札(しかも委託) の募集を慌てて開始した。だが、こんな多数の講師を予め抱える業者はなく、まともな応札があるとは思えない。また、在日の講師の間では、「札幌市スキャンダル」の情報が拡大しており、業者が再募集しても、講師が集まりそうもない。札幌の混乱は、さらに拡大し長期化しようとしている。市と両社の責任追及と全員の雇用確保をめざして、闘いが求められている。