ECCの組合員達は行動準備へ

語学業界は「再編・合併の季節」の様相である。KDDIはイーオンを買収することになっており、G AcademyはNOVAホールディングスに吸収され、GABAは親会社所有のCOCO塾と合併し、ベルリッツはすでにベネッセ傘下にある。親族が所有する全国チェーンの語学会社は今やECCだけとなった。

こうしたニュースを聞くと、「ECCが業界の新しい状況に対処できるようにするために、組合はここはしばらくじっとしておくべきだ」との意見もあるかと思われる。だが、まさにECCが変わるためにこそ、これまでにない程われわれ労働組合が闘う必要があるのだ。

ECCは、自分の会社の存立の源泉である教師達を攻撃することをやめ、会社を今後も存続させていく仕事に教師達を参加させねばならない。

団体交渉の席での会社側の回答は「ゼロ」である、賃上げにもその他の要求についても(下記参照)。つまり、ECCは変化を望んでおらず、教師達を尊重することを好まず、従業員に「より良い会社のために頑張って働こう」と呼びかけることさえしたくない、というのである。

会社が自らの存立の源泉である従業員にろくに敬意も払わないとしたら、ECCがこれからの業界内での競争に耐えぬいてゆく上での従業員の協力など期待しようもない。

全てはECCが自分で選び決めることなのだが、教師なしに学校は成り立たない。教師達が協力を拒めば、それがまさに現実になるのだ。

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われわれがECCでめざすこと

具体的には、何をもってわれわれは「ECCが協力的な態度を示している」と見るのか。

何をもってわれわれは「ECCが自らの存立の源泉である従業員を尊重している」と見るのか。

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1.2017年及び2018年の納得できる賃上げ

賃上げについてのECCの現在の言い分はこうである。「会社の英会話部門の業績はよくない。だからフルタイムの教師の賃上げはできない」。だが、正社員には賃上げが行なわれている。

われわれはこう見ている。英会話部門の業績は財政的に見れば好調とは言い難いかもしれないが、それは支出に問題があるのではない。

ECCの問題は収入にあるのであって、従って、賃金を上げないことがこの問題の解決に寄与することはない。

更に、「英会話部門の業績は良くないが、正社員の賃上げをやるには十分な業績だ」と言うのか。

この「正社員」には、事業の不調・失敗に責任を持っている筈の多くの管理職も含まれている。であるにもかかわらず、こうした人々には賃上げがあり、教師達は冷遇されるのだ。

会社の競争力を強化するために従業員の賃上げを行なうことはごく当たり前の投資である。

何も過激あるいは異常な考えではない。とりわけ、以下に述べる事情を考慮すればなおさらそうである。

帝国データバンクの調査によれば、株式会社ECCは2016年には15億62万3千円、2017年には16億9,359万7千円の利益を計上している。

賃上げはできるのだ。

ECCがそれでも「賃上げはできない」と言うのであれば、正社員にも賃上げはないはずである。

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2.同等の労働条件

我々は現在、二つの重要な要求を会社側に提出している。これらはいずれも、ECCによれば「多額のお金を要するものではない」のだから、受け容れるのは難しくないはずである。

言うまでもないことだが、正社員と非正規従業員との「同等」を実現するには多くの他の課題もある。だがもし会社が多くの費用を要しない要求にさえ応えないのだとしたら、「同等」の実現などできる筈もない。

重ねて言うが、この問題は単に我々組合の要求であるというだけではない。これは、将来の処遇の問題でもあるのだ。

我々が今立ち上がらないとしたら、この先立ち上がることは出来ないだろう。

(A) 有給休暇の半日取得

ECCはこの権利を教師達に与えたがらない(これがないと、わずか数時間の約束のために丸一日の休暇を取らざるを得ない)。そしてその理由を「これを与えることになると代替教師の確保が難しく、かつ割高になる」としている、

だが、そう言う一方ではその言葉に反して、正社員は現在この権利を持っているのだ。

事態を動かすために、労働組合は教師職にはない組合員にこの権利を与えることを現在要求している。そして今後、教師達についても要求することを議論することになる。

会社の回答は:「教師ではない人も教師と同じ契約を結んでいるのだから、それは不公平だ」。

ECCが自分に有利と思えば「不公平」という言葉を使うのには驚かされる。

ECCはこの課題にはお金はかからないことを自ら認めながら答は「否」なのだ。

 

(B) 特別有給休暇

ECCの正社員には冠婚葬祭、出産などの際に使える特別有給休暇がある。

ところが常勤教師、非常勤教師、そして日本人の非常勤職員だけは、これらの休暇は全て無給である。

(組合がこの問題を取り上げる以前は、こうした人達にはこの特別休暇そのものがなかった。会社には一切財政的負担はないのに、だ。)

ECC自身の計算でも、この特別有給休暇の要求を受け入れた際に要する年間の費用は、常勤教師の年収の半分強に過ぎない。

これら二つの要求は、会社がその気にさえなれば容易にのむことができるものなのだ。

だがECCはそれを拒んでいる。それは、経営陣を頂点とし教師達を底辺とした幾重もの層によって形作られた体制を基にして現在の会社の利益が生み出されていることを、彼等は知っているからである。

平等に近づく体制ができて自分の利益が減ることを彼等は恐れている。だから答は「否」なのだ。

労働条件において更に「同等」が実現されることなしに、我々は誇りを持って仕事に臨むことはできない。

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3.組合の「同等」

労働条件を守り、改善するには労働組合が必要であることを、我々はみんな知っている。誰もに開かれ、成果をみんなで分かち合い、費用をみんなで分かち合う労働組合である。

では、「組合の『同等』」とは、具体的に何を指すのか。

 

(A) 会社が提供する組合事務所(日本ではこれが慣習)

これは、労働組合が所属組合員を代表する交渉母体であることを会社が認めることを意味する。

昨年労働組合が賃上げを実現したことへの報復として、ECCは組合との合意を踏みにじり我々の事務所の家賃の支払いを現在も拒否している。もっとも、ECCがこの家賃を支払うことになった唯一の理由は、ECCが、お金はかからないにも関わらず我々に会社内での事務所提供を拒んだからなのだが。

 

(B) 組合を自由に組織する権利

この権利は、日本国憲法が我々みんなに与えている権利である。

ECCでは長年に渡って、新入社員のオリエンテーションの際に組合への加入について話をする権利を我々は持っていた。

我々は誰にも開かれた民主的な労働組合である。だがもし新しい労働者達へのアクセスを制約されるならば、我々は全ての労働者に開かれたものであることはできず、自分達のことしか考えない小さくひ弱なグループに過ぎなくなる。

この点でもECCは我々との合意を破った。彼等は我々のような開かれた、民主的な体質が新しい労働者達に受け容れられることを知っていたからである。そして不幸にして、彼等の戦術は功を奏した。

この権利が奪われて以降、新規の組合加入申し込みは半減している。

労働者にアクセスする権利があってこそ、新しい労働者達に、会社が組合のこの権利を認めており、彼等が組合に参加する権利を認めていることを知らせることができるのだ。

職場に活発な組合(とりわけ「企業内組合」でない組合)があることは、会社が労働法を守り、労働者の権利を守っているかどうかを隠す余地なく示すことになる。

だが、組合が社内での活動から追い出されて、その結果学校や会社の前でビラを撒くだけだとしたら、会社がこう言うことは明らかだ:「敷地内立入禁止―お前たちはこの会社の者ではない」と。

 

(C) ユニオンショップ

新しい労働者へのアクセスができないとしたら、組合が勝ち取る成果も組合がその活動に要する費用も、全ての従業員で分かち合うシステムを持たねばならない。

これは「ユニオンショップ」と呼ばれる。

ECCの英会話部門では、我々は常勤教師の中ではほぼ多数を占めており、何かを勝ち取ればその成果はみんなが享受している。

非組合員である教師への賃上げにさえ影響は及ぶ。会社の賃上げがあまりに低ければ、組合への加入者は増えることになる。

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闘いは続く

長年に渡って我々はよく闘いチェックオフ、組合事務所、新入社員オリエンテーションでの組合説明、苦情処理制度などを獲得してきた。そして、これら全てを通じて労使関係は正常なものになってきた。

だが現在ECCは、これらを捨て去ることによって教師達の組合への加入と実のある団体交渉と妨害することを図っている。

ECCは言う、「みんなで協力してECCをより良い会社にしよう」と。

その言や良し、である。だが我々は、一部の人々だけが会社の成果の甘い汁を享受している状態の中ではその考えを鵜呑みにすることも無防備に受け容れることも決してない。


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