労組周辺動向 No.145 2022年8月5日現在
労働組合に関係がある法律をめぐる動きや裁判での判決、闘い、国内外の統計や情報など、現在と今後の組合活動にとって直接・間接に必要、有益と思われる情報を掲載します。
隔週発行です。
日本の新型コロナウィルス新規感染者数が世界最多を記録しています。異常な暑さ、猛烈な降雨など、地球温暖化の進行も危機的状況です。
最低賃金の「目安」が決まりました。「焼け石に水」との声が多く聞かれます。
闘いは続きます。
Stop Unfair Labor Practice at Nagoya International School!・名古屋国際学園の 不当労働行為に 抗議を!
The General Union is currently in a dispute with Nagoya International School over a member who was non-renewed after filing a sexual harassment complaint and declaring union membership.
名古屋市守山区にキャンパスを持つ名古屋国際学園(Nagoya International School) は2019年、セクシャル・ハラスメントの告発と組合活動をした教師との契約を更新しませんでした。
The Union has engaged in collective bargaining with the school as well as filing a suit against them at the Osaka Prefectural Labor Commission.
ゼネラルユニオンは大阪府労働委員会に不当労働行為救済申し立てを行い、調査の過程で名古屋国際学園の多くの労働問題が明らかになりました。
2022/7/20 東京高裁:「10年特例」濫用による無期転換回避を拒む判決
2022年7月20日、東京高等裁判所は、専修大学の非常勤講師の「5年超勤務に基づく無期転換」を認めた2021年12月16日の東京地方裁判所の判決を支持する判断を示した。
**********
事件の概要
2022/7/12 「大量雇止め」について日本学術会議が声明を発表
2023年3月末に、全国の大学や研究開発機関での有期契約研究者・教師の大量雇止めが危惧されている。
「無期転換回避」の動きの一つである。
この問題について2022年7月12日、日本学術会議幹事会が声明を発表した。
「New Deal for ALTs -ALTを使い捨てにする教育を変えよう!」キャンペーンが6月27日に始まります
外国語指導助手(Assistant Language Teachers=ALT)は、1970年代から日本に存在しています。政府の交換留学制度による一握りの参加者から始まりましたが、現在では幼稚園から高校まで、2万人近い教師が働いています
ALTは日本全国で、さまざまな職種、契約形態、雇用主、労働条件のもとで活躍しています。
We denounce this miscarriage of justice・不当判決糾弾!!
On May 23, an appeal verdict was heard in the “Osaka #1 Incident” case, in which the Osaka District Court in December of 2017 made an unfair ruling to smash a strike that was carried out by Zennikken Solidarity Union, Kansai Ready-Mix Concrete Branch (Kansai Nama-Kon, or Kan’Nama).
5月23日、大阪高裁で2017年12月に全日建連帯労組関生支部が取り組んだストライキへの不当弾圧裁判である「大阪第1次事件」裁判の控訴審判決がおこなわれた。
We are changing ALC Education
We are a determined group of 8 indefinite-term instructors at ALC Education committed to improving working conditions and pay-related issues in the face of persistent delaying tactics. We’ve had two years of union experience in collective bargaining, initially with a different union and since August 2021 with GU.
私たちは、アルクエデュケーションの無期雇用契約講師8名で、会社執拗な遅延戦術に直面しながらも、労働条件と賃金関連問題の改善に取り組んでいる意思の固いグループです。
With GU support, we’ve succeeded in:
ゼネラルユニオンの支援により、私たちは以下のことに成功しました。
最低賃金署名・Minimum Wage Petition
中央最低賃金審議会長
Chair of the Central Minimum Wage Council
最低賃金1500円と全国一律最低賃金制度の確立を求める署名
Petition for a minimum wage of 1,500 yen and a uniform national minimum wage
コロナ禍の中、日本では、非正規労働者や低賃金労働者の生活困窮が拡がっています。内閣府 「令和3年子供の生活状況調査の分析報告書」によると、現在の暮らしについて「苦しい」また は「大変苦しい」と回答した割合は、全体では 25.3%なのに対し、貧困層では 57.1%、ひとり 親世帯では51.8%になっています。また、「食料が買えなかった経験」は全体が 11.3%に対して 貧困層では 37.7%、ひとり親世帯では 30.3%となっています。
In the midst of the Corona disaster, the impoverishment of non-regular workers and low-wage earners is spreading in Japan. According to the "Report on the Analysis of the 2021 Survey of Children's Living Conditions" by the Cabinet Office, 25.3% of the total respondents answered that their current living conditions are "difficult" or "very difficult", while 57.1% of the poor and 51.8% of single-parent households answered that their current living conditions are "difficult" or "very difficult". In addition, 37.7% of the poor and 30.3% of single-parent households experienced not being able to buy food, compared to 11.3% of the total population.
ALC Education Employee Rep・アルクエジュケーション従業員代表
Employees at ALC Education will face a workers representative election on Tuesday, 22 March and GU members are urging all employees to refuse to vote due to a number of unanswered questions.
アルクエデュケーションの従業員は3月22日(火)に従業員代表選挙に臨みますが、ゼネラルユニオン組合員は全従業員に投票を拒否するよう呼びかけています。それはいくつもの疑問が解消されていないからです。
International Schools Organising Committee・ゼネラルユニオン・インタナーショナレスクール組織化実行委員会
The GU will soon begin a national survey of International Schools throughout Japan. We have found many problems in this sector, mainly around issues of harassment, but also around basic rights to insurance, paid holidays, contract renewals.
ゼネラルユニオンは近く、日本全国のインターナショナルスクールの調査を始めます。この分野では、主にハラスメント問題をはじめ、社会保険、有給休暇、契約更新などの基本的な権利についても多くの問題が見つかっています。
We want to make a better International Schools environment in Japan for both teachers and students, Japanese and foreign teachers and staff, and international and domestic hires.
私たちは、教師と生徒、日本人と外国人の教師とスタッフ、海外と国内の被用者にとって、日本のインターナショナルスクールの環境をより良くしたいと考えています。
Soon you'll be able to help us get the ball rolling by answering our survey. You tell us more about you and we'll let you know more about us.
もうすぐあなたにアンケートに答えて頂くことで、私たちの活動を後押しして頂けるようになります。私たちにあなたのことをもっと教えてください。私たちはあなたに私たちのことをもっと伝えたいと思います。
Osaka University・大阪大学:Unbelievable・信じられへん!
Working at Osaka University (Handai)? Join us in assuring your rights to an unlimited term contract!
大阪大学(阪大)で働いておられますか? あなたの無期雇用契約の権利を守るために一緒に活動しましょう。
Message from a Jailed Union Activist・長期拘束されたた労働組合活動家からのメッセージ
Hello to all of you in Osaka. This is Ozawa, in Tokyo. I would like to express my respect for the persistent fight you have put up in Osaka against the Osaka office (NOTE: refers to the Osaka branch of the company). This fight has surely posed a major threat to Sanken Electric.
大阪のみなさん、こんにちは。東京の尾沢です。大阪のみなさんの大阪営業所(注;大阪支店のこと)に対する持続的な粘り強い闘いに敬意を表します。この闘いはきっと、サンケン電気に大きな脅威を与えていると思います。
2022年:ゼネラルユニオンの一層の強化と労働運動の発展へ
ゼネラルユニオン組合員のみなさん、支持者のみなさん、明けましておめでとうございます。
とりわけ、1月1日付で福岡ゼネラルユニオンが当組合に合流し、新たに九州の組合員のみなさんをお迎えすることになりました。心から歓迎します。
12/15対政府交渉の報告
ゼネラルユニオンは12月15日、全国一般本部の協力の下全国一般傘下の東南部、ゼネラルユニオン、福岡ゼネラルユニオンに加えて札幌中小労連・地域労働組合(札幌ゼネラルユニオン)と一緒に厚生労働省・文部科学省との間の交渉を行なった。
**********
関生裁判で一部勝訴
12月13日(月)に、加茂生コン事件の大阪高裁判決が出ました。被告の1名には無罪(一審判決を理由に解雇されています)、もう1名には罰金30万円と、一部勝訴となりました。
詳しい判決内容はまだ届いていませんが、憲法無視の一審判決からは一歩前進です。無罪を勝ち取った被告は、保育所の就労証明書を要求したことが「強要未遂」であるとして京都地裁で有罪判決を受けていました。今後、組合からの反撃は加速されます。
来年は、大阪ストライキ事件や和歌山事件への判決が相次ぎます。憲法28条や労組法で保障されている組合活動の権利を守る闘いは、いよいよ正念場です。
ECC、労使合意へ
ゼネラルユニオンECC支部は、2021年3月に2021年度の交渉を開始しました。すでに1年間新型コロナウイルス感染に関する会社の対策について定期的に交渉してきた組合員は、自分たちの労働条件を本格的に変えるために交渉を始めようとしていました。
第一の課題は、5年前に導入された新しい契約タイプの労働条件の改善だった。この新契約形態には、労働契約法の改正により2018年から始まった「無期雇用契約」のメリットを意図的に阻害するような条件が多く盛り込まれていたのです。
新しい契約形態では、労働時間の延長、昇給を意図的に1年ごとのボーナスに置き換える、1年ごとの労働日数を増やす、契約更新を4回に制限するなどの条件が盛り込まれていました。また、無期雇用契約に申し込んでいた旧契約形態の人たちの昇給を禁止するなど、会社側の本音が見え隠れしていたのです。
知っておこう「労働契約の終了に関するルール」
厚生労働省は「労働契約に関するルール」をまとめたページを公開しています。
問題ごとに、関係する法律や通達の該当部分の内容を整理したものです。
自分の権利は守られているのか、読んで確知ってかめ仲間と共有しよう。
京都外大:がんと診断された教師への非情な対応
京都外国語大学(京都外大)は、基礎疾患や病気のある教員に対して、命がけで対面授業を行わせるか、そうでなければ自宅待機をさせ、基本的に仕事と生活の手段を失わせるという方針をとっている。この厳しい方針のために、すでに2人の組合員が仕事をやめた。
(ゼネラルユニオン組合員であるDavid Waddellは、自分の経験をまとめたビデオを作成した。彼は現在、病院で大手術を受けている。)
この京都外大の方針は、関西の他のほとんどの大学が、基礎疾患を持つ教師にオンライン授業を許可しているのと対照的である。京都外大はこの地域で最も厳しい対応を取っている。
組合の同志社との闘いを支援するためにクリックを!
8月30日:オンライン情報ピケット
ゼネラルユニオンの同志社との闘いは多く報道され注目を集めていますが、事実を一層広め同志社への抗議の声を更に多く届けるためにあなたの協を希望します。
闘いは、概略以下のような内容です(詳細はここで)。
- 同志社大学での年齢による差別に基づく賃金削減(京都地方裁判所労働審判への提訴)
- 同志社女子中学校・高等学校での、賃金が全ての労働に対して支払われていないための賃金未払い(京都上労働基準監督署への提訴)
- 契約更新10年上限設定による、労働契約法に基づく無期転換権の侵害
- 組合員の解雇・雇い止めについての組合との誠実な交渉の拒否(大阪府労働委員会への提訴)
また、この闘いについての情報を広げ、同志社がこれらの問題を解決するために組合と誠実に交渉するよう促すこともできます。あなたのFacebookやtwitterに投稿します。
「年齢による賃金差別、未払い賃金、無期契約の回避、不当労働行為の阻止に向けて、同志社が組合と誠実に交渉しないことに対して、ゼネラルユニオンが闘っていることを支援するために、メッセージを送りました。あなたにも同じことをしていただきたいと思います。」
ご支援に感謝します!
同志社との新しい闘いが始まった日:D-Day
8月19日、ゼネラルユニオンは同志社に対して5件の公的機関への申立てを行なった。
ゼネラルユニオンはこれまで、これらの問題を交渉を通じて解決することを望み、そのための努力を重ねてきた。だが、こうした努力を重ねるだけでは、同志社には種々の問題の解決案を提示する用意はないことが」明白になった。従ってゼネラルユニオンは、これらの問題の解決を目指して新しい闘いに入ることを決断し、この日に宣言した。
「ゼネラルユニオン vs 同志社」のニュースが全国で報道
8月12日から13日にかけて、約45のニュースサイトが、ゼネラルユニオンが同志社大学を提訴する計画を紹介した2つの共同通信の配信記事「同志社大、60歳で3割減給/外国人准教授、労働審判へ/年齢による待遇格差に一石」、「同志社教員「賃金未払い」/労基署に是正指導求める」を掲載した。
その定年退職通告は「不合理な解雇」だ
四天王寺大学で進行中の闘いに注目しよう。
日本全体と同様に、ゼネラルユニオンも組合員の高齢化に直面しており定年退職の問題は重要課題の一つになっている。我々は労働組合として、誰もが死ぬまで働かなければならない社会を望んではいない。一方、組合員の多くが年金のないパートタイム労働者であり、簡単に退職できないことも現実である。
正当な賃金支払いを怠ろうとした英会話の上司が、GUにつかまる!
組合は最近研修費の支払いについての交渉を終え、8万円の支払いを要求し獲得することに成功しました。長野県にあるその英会話学校は、長野から東京間の移動を含む数日間の業務研修に対して、まったく支払いをしていなかったのです。
ご存じの方もいるでしょうが、通常の仕事内容とは異なっていても研修は業務の一環とみなされます。少なくとも最低賃金(この研修は東京で行われたため、東京の最低賃金)に応じて支払う必要がありますが、より高い賃金で支払われる場合もあります。そして多くの語学学校では、研修期間も通常の契約料金を支払います。
我々のコマに触るな!
ゼネラルユニオンが2022年度に向けて「コマ削減反対キャンペーン」を開始
ゼネラルユニオンは2011年以降毎年、大学に勤務する組合員の次年度のコマの削減を防ぐための活動を行なっている。