労働委員会は救済機能を放棄したのか!?最近遭遇した2つの事件で感じたこと

最近2つの事件で敗訴となった。1つは不誠実団交に関わるものであり、もう1つは背景資本-実質経営者にかかわるものである。

①一定の説明を行ったと中身を問わずに会社を免罪(大阪YMCA事件)

黒字部門の閉鎖に関わる事件で、閉鎖の合理的理由が問われた案件だった。経営の説明は、財政については「収入で経費を割り振る」という通常時の方法で行ったもので、赤字にしかならないものであったし、他の理由は「リスクがある」というもので、その中身は言わなかった。府労委は、組合もその部門が赤字と認識していたと、とんでもない事実誤認の上に「一定の説明をした」とし、中労委は「組織変更のような経営事項は経営者が一方的に決定しうる。協議事項でないと経営が言ったのは団交拒否ではない。また一定の説明を行っているから不誠実ではない」と断じた。これでは、事業再編で閉鎖される場合、いい加減な資料さえ出しておけばよし、となる。

 

業務が完全に一体ではないから決定権があるとはいえない、資金回収で閉鎖に追い込んだ会社を免罪(関西リノテック事件)

関西リノテック社は資金をすべて出して不動産会社を設立。半年後には行き詰まって口座も何もすべて子会社から回収。資金をさらに入れて運営し、その過程で労働者(相談者)を雇用。それにも行き詰まり、親会社(関西リノテック)は突然資金を回収。子会社は閉鎖に追い込まれ、採用されたばかりの労働者は解雇。団交に応じなかった親会社の団交応諾を求めた。府労委は、両社の業務が全く一体となっていたわけではないから雇用主と同視できる程度に労働条件を決定できるとはいえない、として棄却となった。親会社と全く同一の業務をする子会社はあり得ないし、子会社が会社としての機能を全く行わないこともあり得ない。この命令では、背景資本に対する追求は一切できない、ということになる。

上記2つの命令は、政治状況は反動化しているのあわせて、労働委員会も本来の救済機関としての役割を縮小する方向に舵を切ったと思われる。極めてゆゆしき事態が進行している。

大阪全労協10月機関紙 www.osakazenrokyo.org


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