年休など労基法=労基署での攻防

ゼネラルユニオンには,組合員かどうかを問わず,毎日平均して10人くらいの方からの相談を受けます.労働問題の中でも,労働基準法について相談が多い.一番多いのは,年次有給休暇【年休】や残業手当がない,解雇や契約更新拒否された,雇用保険がない,などである.

 ゼネラルユニオン結成の最初の5年は,全国大手の各社に法定の年休を制定させ【ECCでは一斉年休の実力行使もあった】,その後の5年間で雇用保険に【NOVAを最後に】加入せしめた.これら歴史的闘いの結果,支部があるような大きい会社は,今,労基法をほとんど遵守させている.そのためトラブルの相談は,中小の会社や,官民の大学・高校・教育委からが多い.相談があった時,電話であれば必ず事務所に来てもらう.相談後,必ず,組合の説明をし,組合費納入・加入書作成の後,下記の様々なアプローチを開始する.

労働基準監督署【労基署】への訴え

労働基準法違反では,労基署への正式な「申告」【相談ではなく訴え】をしばしば行い,悪質な経営者には告発も行なう.一方,個人で労基署に相談に行った場合の,監督官の動きの遅さには閉口している.労基署でダメだったから,ユニオンに来られる方も多く,まるで「労基署苦情ホットライン」の感もある.だからアドバイスで各地の労基署に行くことになった際は,必ず「ゼネラルユニオンから来た」と宣言をしている.

労基署やハローワークが外国語ができない場合は,通訳としても,ユニオンのスタッフが同行する.また,大きな問題や,支部全体の問題,会社や労基署が悪質な時は,上級機関の各県労働局や厚生労働省との団体交渉も展開する.

「雇用トラブル回答要請書」

相談者が労組に入って,会社へのアクセスを求められた後,まず本人の説明内容に基づいて「雇用トラブル回答要請書」を作成する.これは,使用者に「こんなトラブルが指摘されていますよ」と,通知するもので,「調査・報告依頼」の意味をもっている.

これは,事実確認の付き合わせがないまま,すぐに労資のケンカになることを避け,早期に核心を把握するためである.期限は1-2週間で切るのだが,95%ぐらいの会社が,FAXなどで回答してくる.克明に反論や事実経過を書いてこられる会社もあり,その後の交渉や解決に役立つ場合が多い.まれなケースであるが,会社からの報告を本人に示した際,本人の報告の方が間違っている場合ある.

「第2段階としての,要求と団交」

このやりとりを経過しても,労資の開きが大きく,かつ重要であるとユニオンが判断した場合,改めて,会社に「要求書」と「団交申入書」送る.団交期日と,応諾確認期限も明確にしてある.そしてゼネラルユニオンの役員・スタッフが事業所を訪問し,回答書や合意書による解決まで,粘り強い連続交渉を行なう.団交拒否や,未解決の場合は,争議や提訴も行なう.しかし大半の場合は,上記の「回答要請書」の段階や「要求書」の前後で,使用者側からの譲歩と回答呈示で解決している.口コミや,新聞・テレビで,ゼネラルユニオンの知名度が高く,経営者に恐れられていることも早期解決に役立っている.

「支部組合員からのの要求と苦情」

同じ職場で,何人もの個人加盟組合員が揃うと,ユニオンの支部を結成し,使用者に通告する.ここでは,団体間の労資運営となり,支部会議で決定した統一要求を提出,団交で協議し,「協定書=労働協約」として締結していっている.契約書や就業規則【大抵,過半数以上の確認や届出などの法定義務はしていない】には肝心なことを明記されず,「愛社精神」など変な「校則」のようなことを書いてある場合もあり,団交と労働協約でただす必要がある.

一方,支部組合員のトラブルやリクエストで,必ずしも,支部全体の問題でない場合は,これを使用者とユニオン本部との間の「苦情処理制度」で解決する.これは,上記の「雇用トラブル回答要請書」に似ており,組合員の要望を聞き取った後,使用者にその「調査・回答」を求めるものである.結果,団交以前に解決することが多く,団交は,全体の統一労働条件の審議に集中できる.これはシステム化されており,ゼネラルユニオン本部の担当者から,予め指定された会社の本社役員などへ直接FAXされる.この【社外】苦情処理制度を,現在ゼネラルユニオンと結んでいる所は,NOVA・ジオス・ECC・大阪外語専門学校・ベルリッツ・日米英語学院・YMCA・イーオン・各市教委などである.

「一斉計画年休」とは[労基法39条]

年休は本来,本人の「取りたい日に取れる」が,長期休暇作りの利害が一致した場合,労資協定により年休の一部【年5日を越える部分】を指定期間に一斉取得させること.毎年,過半数以上の労組=従業員の賛成と,労基署への届出が必要.

「年休の日数.繰越と買上げ」

年休は6か月以上働き,80%以上出勤した時に,最低年10日間が与えられます.以降1年経過ごと【契約更新を含む】に1日増え,3年半からは2日増え,6年半以上は20日となります.使い残した年休は,「2年間有効」という考え[労基法115条]で,翌年の日数に加算されます.ただ,年度の計算単位【4月から,入社月から,】などのよって,誤差がでます.使い残した年休を買い取るのは,日本では違法です.但し,退職時に残した分を使用者が買うのは違法ではありません.

労基法にある最低の年間有休日数 【週5日,又は30時間以上の人】

継続勤務年数 0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5 7.5 8.5+ 付 与 日 数 10 11 12 14 16 18 20 20 20

パートの場合=0.5年後,週4日は7日,週3日は5日,週2日は3日,週1日は1日からのスタートとなります.

 

報告者=デニス・テソラット(ゼネラルユニオン副委員長)


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