年金非加入期間は付きまとい続けるのか?

昔は若かった(今もまだ若い人も!)我々だが、年金問題に対処するのに手遅れということはない。

ある教師の例を検討してみよう。彼女をJoyと呼ぼう。Joyは25年間ある会社で働いたのだが、将来の年金額が大きく減りそうなことを知った。

まず、年金そのものについてざっとおさらいし、自分がどれにあてはまるのかを見てみよう。

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日本には2種類の公的年金がある。国民年金と厚生年金である。

大ざっぱに言えば、国民年金は基本的に自営業者、働いていない人、あるいは限られた時間のみ働くパート労働者などが加入しており、毎月の標準支払額は収入額に関わらず一定額である。そして、40年間加入した人でも受け取る年金額は月額7万円以下である。

定期的に、フルタイムあるいはそれに近く働いている人であれば、基本的にはその人は国民年金ではなく厚生年金(社会保険、私学共済の一部)に加入しているはずである。

厚生年金の場合、掛金の額は給与その他の収入額に基づいて決まり、受取額は納入額に基づいて決まる。従って、厚生年金は国民年金より支給額が多い。

Joyの場合、厚生年金への加入資格があることについては異論はない。組合だけではなく雇用主も、である。我々がどうしてそう言えるのか? 働き始めてから9年後、Joyと同僚達は組合の支部を結成し、雇用主に自分達を法に従って厚生年金に加入させた。加入資格に関して雇用主からの異論もなく、彼女は直ちに加入した。

この話はハッピーエンドを迎えそうだったが、そうはならなかった。

以下で見るように、彼女にとって「ハッピー」だったのは、彼女が加盟した組合が彼女のために積極的に闘う組合だった、ということだけだった。

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Joyは、25年間熱心に仕事をして定年退職し、定年後の生活を楽しみにしていた。そして、自分の毎月の年金額を知ることになった。

彼女は億万長者のような暮らしを期待していたわけではない。ただ、日本で25年間働いたのだから、定年後の生活を支えるそれなりの金額が支給されると思っていた。

だが、まったくそうではなかった。

彼女はただちに17年前から参加していたゼネラルユニオンに連絡し、問題が明らかになった。年金納入期間に不足があったのである。

この不足は彼女の責任ではなく彼女の雇用主の責任だった。彼女は働き始めてからの9年間、年金に加入させられてなかったのだ。

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ここで、大事なポイントを確認しておこう。

**注:2016年に年金法の改変があり受給資格取得に必要な期間が25年から10年に短縮されたが、以下の情報はこれ以前のものである。

Joyはこの会社で25年間働いた。ちょうど年金受給資格を得る最低期間である。しかし彼女は働き始めてからの9年間年金に加入させられておらず、「カラ期間」(外国人が日本に帰化または永住許可を受けた場合、20歳以上60歳未満のうち、1961年4月から1981年12月まで外国人として在日していた期間などが、年金加入期間として計算される)にも該当しないとなれば、彼女は「年金受給資格ナシ」となることろだった。

彼女は日本に来たのは40歳の時だったたので、カラ期間・20(60-40)年に会社での加入期間である16年を加えると、Roy組合員は「加入期間25年以上」という年金受給資格は得ることになる。

だが、確かにこの「カラ期間」は受給資格獲得には役立つのだが、来日後9年間に渡って年金に加入させられていなかったために、支給額は低いままなのである。

彼女は何ができるのか?

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長年に渡ってJoyが組合費を払ってきたのは無駄ではなかった。彼が自分で弁護士に直接相談に行くのではなく、組合が支援をすることになったのだ。

ゼネラルユニオンは社会保険労務士に、もし会社が最初から彼女を厚生年金に加入させていたとしたら、彼女は年金をいくら受け取ることになったのかを聞いた。そして、会社に対して正確な金額を要求したのだ。我々は現在交渉中であるが、勝利を確信している。団体交渉の席か、あるいは法廷で。

それにしても、組合の支払要求に対して会社はどんな言い訳ができるのだろう?

こう言ったのだ:

「最初の9年間、Joyが年金への加入を要求しなかった」と。

年金への加入は、労働者の求めによって行なうものではない。労働者を年金に加入させることができるのは雇用主だけなのであり、また、労働者を加入させるのは100%雇用主の義務なのだ。労働者も加入を拒むことはできない。そして、雇用主と労働者が掛け金を折半して負担するのである。

会社にとっては不都合なことだろうが、公的保険への加入は労働者と雇用主とが個々に合意して行なうものではなく、労働者と雇用主のいずれにとっても加入を拒むことができない公的義務なのだ。

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程なく結果が出るだろう。

交渉は面倒なものではなかった。と言うのは、彼女はすでに、もし会社が拒めば裁判に訴えることを決めていたからだ。

われわれ労働組合は今夜(2016年3月24日)会社に会い、法に従うよう求めた。そして、「要求を拒否してもいいがそうすれば裁判に訴える」と伝えた。

裁判となれば、充分な判例があって、われわれは彼女が勝ち、会社は裁判費用を負担することになるだけだと確信している。

脅しではない。法も正義も、われわれの側にある。

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若ければ、会社が用意しなければならない年金など不要だと思うかも知れない。だが、ずっとっそうだろうか? 失われた時間を取り戻す手立てを取るのが手遅れということはない!

組合と共に始めよう!

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