不当労働行為救済申立書

                                                                                                     2015年3月11日

          不当労働行為救済申立書

 

大 阪 府 労 働 委 員 会

会 長 播 磨  政 明 様     申立人 ゼ ネ ラ ル ユ ニ オ ン

                                              テソラット・デニス

                  申立人 北 大 阪 合 同 労 働 組 合                                       

                                        執行委員長 中 川  幹 雄

 

労働組合法第7条第1号、及び3号違反について、労働委員会規則第32条に基づき、以下のとおり、申立を致します。

 

第1-当事者

【被申立人 1】

「高 槻 市」  代表者 濱田 剛史 市 長 

        大阪府高槻市桃園町2番1号 高槻市役所内 

 

地方自治体として、高槻市は、高槻市教育委員会【以下、「市教委」、という】を通じて、公立学校を設立管理しており、1994年より毎年、トゥーンバ市から派遣された講師を、41校の小学校における外国人講師【Assistant nglish eacher。以下「AET」という】として、雇用し、就労させている。また、国内の語学業者から派遣された外国人講師を、職安法・派遣法違反ではあるが、中学校でも勤務させており、それら小中学校全体の外国人講師をまとめるための外国人スーパーバイザーを、雇用している。

  

【被申立人 2】

「トゥーンバ市連合協議会」 最高執行責任者【CEO】 Brian Pidgeon 

                PO Box 3021,Toowoomba Village Fair QLD 4350, Australia 

 

 オーストラリアのクイーンズランド州にある地方自治体である【以下、トゥーンバ市、という】。姉妹都市事業の一環として、約20年にわたり、高槻市で働くAETを、現地で募集し、選考と採用を経て、高槻市に、講師を派遣してきている。日本の派遣法免許は所持していない。

 

【申 立 人 1】

「ゼネラルユニオン」  委員長  テソラット・デニス

  大阪市北区天満1-6-8 六甲天満ビル201号 ℡ 06-6392-9619

 

  ゼネラルユニオンは、日本で働く外国人労働者のための、多言語相談センターであり、個人加盟の多国籍労組である。大学講師の他に、教育委員会の外国人講師【ALT、AET】と、民間語学業界での全国最大労組でもある。

 高槻市AETの5名が、ゼネラルユニオン組合員である。

 

【申 立 人 2

「北大阪合同労組」 執行委員長 中川 幹雄 

大阪府高槻市城西町3-1 マイルドビル202号 ℡072-675-1999

 

  北大阪地区を中心とした個人加盟の合同労組である。

トゥーンバ市を経ずに、高槻市に雇用されてきている「スーパーバイザー【=Supervisor。以下、「監督」と言う】であるデービッド・ローゼンフェルドが、北大阪合同労組【以下、北合同、と言う】の組合員である。

 

第2-請求する救済内容

(1)両被申立人は、市教委元幹部が家主である住宅への、職権利用の居住強制を行わず、かつ転居を理由とした雇用契約更新拒否を行わないこと。

 

(2)高槻市は、組合員の直接雇用廃止の強行のための代替措置である「語学業者との偽装派遣ー偽装委託」の違法な入札を、直ちに中止すること。

 

(3)トゥーンバ市は、組合員の高槻での転居や、ゼネラルユニオン加盟に介入したり、「一部AETによる政治問題化と破壊的行為」などのメールを、送信するなどした労組と労組員への中傷をやめること。

 

(4)高槻市は、両組合員全員と永年、雇用契約を締結しながら、労組加入への対抗として、「雇用契約書は間違って結んできた。委託や有償ボランティアだった」などの労働者性否定を、突然開始したが、これらを直ちに撤回し、雇用責任を果たすこと。また、「組合員への労働法適用【労災保険・雇用保険・社会保険・労基法など】への妨害をやめること。

 

(5)両被申立人は、下記謝罪文を、両市の全戸対象広報誌の1ページに、また、両市ホームページのトップページに30日間掲載しなければならない。

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                           謝 罪 文

トゥーンバ市のAET講師 

ゼ ネ ラ ル ユ ニ オ ン

北 大 阪 合 同 労 組   各位へ   高 槻 市 長  濱 田 剛 史 

                 トゥーンバCEO Brian Pidgeon

 

私達は、両市間が姉妹都市でありながら、それに基づいた、高槻市立学校へのトゥーンバ市民の講師【AET】招聘にあたって、高槻市教委幹部ら所有の住宅への入居を強制し、「家賃支払を拒否すれば雇用契約解除」としてきました。

 それに耐えかね、地震なども危惧したAETが一斉に転居しましたが、私達は、それに激怒してしまい、両市は突然、講師派遣と雇用を一方的に中止し、AET全員を雇い止めにするという間違いを犯してしまいました。

 

 また、両市が20年来、「雇用契約」を締結してきていながら、年次有給休暇・健康診断などの法定義務を怠ってきました。公的強制保険である労災保険・雇用保険・社会保険などにも加入させませんでした。

 そして、労組が結成されるや、対抗として、「雇用でなく委託だ。ボランティアだ。市職員ではない」などと、あってはならない虚偽の反論を始め、発覚後も、公的保険への加入を妨害してまいりました。

 

これらの間、人権を侵害され続けた講師たちが、高槻市長やトゥーンバ市長に対して、面会や改善を、再三要請したにもかかわらず、両名は、これを黙殺しました。全員の雇い止めを決定したのが市長部局であったのが明白になった後も、高槻市長は、一度も面会や労使交渉にさえ、出席しませんでした。

 

 一方、高槻市は、AET講師の直接雇用の代替として、「職安法と派遣法違反の偽装委託」の業者を、入札で募集する「丸投げ」をしてきました。このことは、法違反のみならず、語学教育の質を下げ、学校現場に多大な混乱を与え、児童・保護者・教職員にも、大きなご迷惑をおかけしました。

そして何よりも、英語教育と国際交流のため、高槻に住み、学校現場で奮闘して頂いていた講師とスーパーバイザー各位に、多大の被害を及ぼし、結果、職を奪い、日本滞在の道をも閉ざす違法行為と人権侵害をしてしましました。

 

ここに、大阪府労働委員会の命令に基づき、謹んで謝罪申しあげます。以上

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第3-不当労働行為の経過

 

両市によるAET雇用の経過と雇用契約書締結。強制入居の経過

 

  トゥーンバ市は、姉妹都市である高槻市に、20年来、英語講師を派遣してきた。AETはそれぞれ、20122014年度春から赴任し、雇用契約更新を含め、現在まで、高槻市の小学校で、就労してきたものである。

 

   ゥーンバ市は、毎年 月頃に派遣講師を公募・採用し、現AETらも、これに応募、試験などに合格し決定したものである。その際、ゥーンバ市長と、高槻市長、の署名による「確認書」がかわされている。ここでは、「ゥーンバ市による派遣」「高槻市による招請「費用の高槻市負担」「日本国の法律遵守」などが明記され、来日前に主な労働条件が決められていた。

 

   ゼネラルユニオン宛の、市教委からの回答書【201412月5日付、2015

年1月22日付】にも、「派遣期間や更新回数、その上限等は、ゥーンバ市が決定しております」「来日後の兼職はゥーンバ市議会の承認が必要」と記載されている。しかし、両市は「派遣と招聘」と言いつつ、派遣免許を持たないことから、「被雇用者の、ゥーンバ市での選考、高槻市での雇用と就労」としか、考えられない。

 

   また、ゥーンバ市で上記の派遣と雇用が確認される際、何故か、ゥーンバ市は、「ある高槻市教委幹部の所有住宅」にしか居住することを条件としてきた。本人達が「自分で選んだ所に住みたい」と主張したら、「それなら雇用契約破棄」だと恫喝し、納得できないままの来日となった。また高槻市赴任時に、再度、同じ住宅選択の希望を伝えたところ、毎月6万円の納入等、ゥーンバ市とまったく同様の強制があった。満足な補修もない危険な築30-40年の文化住宅にしては、全員で年500万円は異様な高額で、賃貸契約書さえなかった。家賃の手渡す相手である家主は、20年来、現職と元職の市教委幹部一族であり、立場を利用した公私混同や職権利用としか思えない。

 

   高槻市との雇用契約書は、本件組合員に関して、2014年度春にそれぞれ提示され、署名した。Brett Schroffel組合員は、2012年度春から、2回更新して、3年目になっているが、すべて雇用契約の内容は同じ内容である。

文書の表題は「雇用契約書」であり、「トゥーンバ市との確認書に基づく」とされている。第2条では「英語指導助手として雇用」「勤務時間」「休暇」と記載されている。第4条では「兼職禁止」、第5条では「月額30万円」、第6条では「雇用主による解雇の権利」、第8条では、「雇用期間延長規定【3年間】」などが明記されている。労組要求後、突然、高槻市は、「雇用でない。雇用契約書のタイトルは書き間違った」と言いだす不当労働行為を始めているが、この内容は、どこからみても、完全な「雇用契約書」そのものである。

 

   上記のAETはゼネラルユニオン組合員であるが、北合同に所属しているデービッド・ローゼンフェルド組合員は、アメリカから来日後、2004年より、高槻市教委で雇用されており、今まで何回もの更新を経て、現在に至っている。雇用契約書の各項目は、AETと同様であるが、職務内容は、キャリアを生かして、AETや、派遣会社からの講師への指導やケアなどの「監督」業務となっている。

しかし、制度や労働条件、そして、労働法違反に、かねがね疑問を感じ、20146月から、北合同とゼネラルユニオンに出入りし、指導を受けていた。

 

   市教委は、20141017日付回答書で、デービッド・ローゼンフェルド組合員への契約解除と同時に、労働者性を否定する主張を開始している。しかし、市教委反論の「裁量がある。他のAETとは違う」は、せいぜい下級管理職程度の監督業務でしかない。また、AETと同様の雇用契約が、長期に更新されてきており、さらに「ゥーンバとのAET契約をやめるから、スーパーバイザーは要らなくなる」という理由も、不当労働行為である。

 

AETの一斉転居と高槻市からの報復。労組支援の始まり06.

 

   AETは、やむなく、指定された住居に入ってみたものの、震災に耐えられるとも思えないほど、危険な生活環境となった。東日本大震災時など、以前に来日していたAETも、修理改善を大家と高槻市に要望してきたが、何もしてもらえなかったことも判明した。そこでやむなく、自分達で転居を模索することを、悩んだ末、AETで決意した。

 

   浅利俊明【ゼネラルユニオン通訳】は、かつて学校警備員として勤務しており、英語も堪能であったことから、AETやデービッド・ローゼンフェルドとの接触が始まっていた。そして、2014年4月20日にAETが浅利と会った。「もう耐えがたいので、大至急、転居先を捜してほしい」という切実な訴えが伝えらた。浅利もすぐ、教委指定の住宅を調査したが、その劣悪さは想像以上であった。2014年5月11日には、希望者全員の転居が完了し、すぐ、市教委にも届け出た。

 

   ところが、翌12日には、デービッド・ローゼンフェルド組合員が市教委に呼び出され「お前は知っていたのか? 誰が引越しの手引きしたのか?」と追及され、犯人捜しが始まった。また6月12日には、AET達に「同じ大家に、引越し後も家賃を払え」との圧力がかかった。結局、引越し後の家賃は誰も払わなかったが、「代わりにゥーンバ市が、謝罪文と共に、支払った」との利権がらみの情報が、庁内にとびかっている。

 

この点については、2015年2月27日付のオーストラリア現地紙が、市派遣講師が全員雇いどめされるという深刻な状況を報道し、その中で、「転居後も、トゥーンバ市が、高槻に意味不明の公金を送金したのは何故か?」と告発するなど、国際問題化している。

 

   危険を感じたAET達は、北合同役員でもある高木隆太高槻市会議員によって、デービッド・ローゼンフェルド組合員の権利擁護を含めて、6月27日に市議会で追及してもらった。その後、7月6日に、ゥーンバ市ダイアン・カレーが急遽来日した。両市間で、労組対策を協議した疑いがもたれる。

 

高槻市の面会拒否が続き、労組が正式団交要求開始

 

   当該の足並みを考慮し、労組前面よりも、AET全員連名の方が良い、との判断で、高槻市長への面会要請と嘆願書を7月25日に提出し、以降、8月7日にも提出したが、返答もなく、高槻市長に会うこともできなかった

5名のAETもデービッド・ローゼンフェルドも、かねてから両労組に個人加盟していたのだが、以降は、まず、9月12日に、北合同の本部労組が、団交応諾要求や、正式要求を提出し、一方、AET組合員達、及び、北合同高木は、それぞれ「手紙やメール」の形で、ゥーンバ市に要請書を送付した。

 

   労組への不誠実態度をとった高槻市は、種々の口実をあげ、北合同への回答書は、1017日にやっと出され、団交に至っては、1022日まで待たされた。しかし驚愕したのは、その内容である。回答書作成も、団交での答弁も弁護士まかせであり、「デービッド・ローゼンフェルド組合員は、委託であり、市職員ではない」という新説を展開し始めた。内容は、本申立書⑦項で、その不当性は指摘済なのだが、問題は、その奇妙な主張を、労組本部への反論で、初めて開始したことであり、明らかな不当労働行為である。

また、労働者性を否定しながら、団交に応じる、など矛盾だらけである。

 

高槻市が、公的強制保険加入に妨害

 

   労組要求の多くは、雇用契約の履行や、労働法違反の是正であったので、拒否回答に屈せず、労組としても、各行政官庁に加入申告していくこととした。折しも、ゼネラルユニオンのマリアンヌ・シーオス組合員が、通勤途上で負傷した事故が発生し、茨木労基署は、これを通勤途上労災だとして、手続きを開始した。署から、労災保険未加入を指摘された高槻市は、「現在、労働保険だけでなく、社会保険なども一括で加入する手続きをしているので、待ってほしい」と回答した。

一方、高槻市武林は、北合同高木市議と、ゼネラルユニオンに対して、「もし社会保険に入れば、本人負担が年54万円にもなる。それでもいいのか?

組合員に、それでも加入したいのか?聞いてほしい」と迫った。

 

同様の恫喝は、201412月5日のゼネラルユニオン宛の回答書にもあり、「貴組合員が『労働者』であることを主張されるのであれば」「本人負担分計は年547848円でございますので、過去分も、今後の平成26年度の報酬から徴収させて頂く」といった卑劣な脅しをかけてきた。

さらに、労災保険加入が不可避とみた高槻市は、1212日のゼネラルユニオンの初団交終了後、突然14項の「加入するから待って」という釈明を180度撤回し、「労働者ではなかった」と、労基署とも争う構えに転じた。

 

両市が「AET制度の廃止と、全員首切り」を決定

 

   この廃止や雇い止めの動きを、当該のAETが最初に知ったのは、20141020日付、ゥーンバ市連合協議会Brian Pidgeon CEOという最高執行責任者からの、全AET宛の文書でだった。同氏からの20141128日付AET宛メールでは、「一部のAETが、政治問題化し、破壊的な行為」「さらなる攻撃や打撃を防ぐ」「一部のAETが労働組合に加盟」、とし「あなたの契約は1年であって、延長の保証はない。計画しだいでは、誰かに取って変わられる」と結論つけている。これは、通告、というより、脅迫そのもので、ゥーンバ市による、悪質な不当労働行為そのものである。

 

しかし、同氏は、2001410月2日付のAET宛文書では「今後のAETプログラムでは、自分で住まいを選ぶようにすることを明言します」と、書いている。それからすると、同月の20日までの間に、高槻市が、労組やAET批判を、一挙かつねじ曲げて、ツゥーンバ市に通報し、利害関係は不明であるが、ゥーンバ市も、それに合意しこの期間に、両市が秘密裏に接触し、「制度廃止、全員首切り」に合意したことは間違いない。

高槻市から各AETや、デービッド・ローゼンフェルドへの通告は、当事者にはなく、ずっと遅れた12月5日付の、両労組への回答書が最初である。このことも、報復的不当労働行為の本質を示している

 

全員雇い止めで直接雇用廃止。偽装委託業者への丸投げで、労組解体を狙う

 

   市教委は、2015年度より「これまで中学校で行なってきた語学業者からの派遣の受入れを、組合員なき後の、小学校も、外部からの派遣に一本化する」と回答している。労組をつぶすことを契機として、市の直接雇用を廃止し、外注化しようという二重三重の不祥事である。

さらに従来も、派遣法の「最高1年」の規定へは、毎年9カ月の反復

という脱法入札でごまかしており、2015年1月30日付のゼネラルユニオン宛回答書で「3ヶ月空けているので、適法な派遣であるる」とも反論してきている。しかし、その後の調査によると、市が派遣元と公表している派遣会社「アプリス」と講師との雇用契約書を調査したところ、「派遣」の表示も派遣法の手続きも皆無であることが判明した。

 

 これでは、違法派遣=偽装派遣であり、中小校一体のティームティーチングは虚偽であり、学校教育法で義務付けられている市教委の指揮管理責任の

不存在が明白である。しかも、派遣元は、9か月どころか、それをコマ切れにし、日雇い派遣禁止の条文に抵触する短期も含む契約を繰返しており、公的保険関連法や労基法違反も山積していた。

 

第4 結  論

 

このように両市の長は、両国の法律に違反した派遣ビジネスに手を染め、雇用契約履行や労働・生活条件改善めざして労組に加入した組合員を、全員を雇い止めするという報復を強行した。国際交流や教育を標榜しながらの自治体の、立場を利用したこれらの不当労働行為は特に悪質である。教育への信頼回復のためにも、全講師の雇用と人権を守る、早期勧告を要請致します。    以

 


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