3,769,200円+αは誰のため?

高槻市での市・市教委との対峙の中での「お金」についてのありのままの実際を紹介する。評価と判断 -- これは「アリ」なのか? -- は読まれた方にお任せする。

前提をいくらか。

一般に、雇用主と労働組合との団体交渉は、「交渉」なのだから、双方とも決定権を持つ者が出席し、それぞれが主張を述べ合い、一致点と、望むらくは解決を目指すものである。

AET関係者が所属する組合との団体交渉には、高槻市からは一貫して、関係部署の決定権を持たない職員と、市の「代理人」として、市が顧問契約を結んでいる弁護士事務所に所属する弁護士とが出席してきた。つまり、高槻市側からは決定権を持つ者は全く出席しては来なかった。「交渉」など成り立ちようもない、実は形だけの「団体交渉」だった。

加えて、その主張は驚くようなものばかり。

 まずウソ、つまり虚偽や歪曲がいくつもいくつも平然と羅列されてきた。

具体例を二つだけ。

例1。市は、「契約書には午後5時までが勤務時間と書かれているが、実際にはAET達は授業さえ終われば自由に帰宅していた。だから、時間には拘束されてはおらず、労働者ではない」と言う。これは全く事実に反している。実際にはAET達はずっと、授業後職員室の中で、誰からも話しかけられず手持無沙汰であっても、契約を守り午後5時まで学校にいたのである。現場の教師達に聞けばすぐわかる。

例2。「雇用契約書は雇用でない契約の契約書である」。この文章の意味が分かる人は、多分誰もいないだろう。これは、「オーストラリアの姉妹都市から派遣されてきたAET達は、高槻市長との間で結んだ雇用契約書を添えて法務省に提出し、就労ビザを取得して、これに基づいてAETとして働いてきたではないか」と指摘された際の、高槻市側からの回答(?)である。でたらめさは説明不要だろう。

もう一つ。法律違反を言い逃れるために、別の法律違反を自ら進んで告白し続けているのだ。にわかには信じがたいかも知れないが一貫してそうなのだ。

AETが所属する組合は、AET関係者が市・市教委との間に長年雇用関係を結んできたにも関わらず被用者としての合法的権利が一切与えられていないことから、労働法、社会保険法の遵守を中心に「法を守れ」と要求した。これに慌てた市側が組合結成通告後突然「発明」して始めた主張が「AETもAETスーパーバイザーも教委・教師の指揮命令下にはない。だから労働者ではない」という主張である。だがこれは、教育の世界では致命的な誤りに他ならない。

学校教育法という法律がある。教育に携わる者にとっては「基本法」である。この法律は教委・校長・教諭がそれぞれの責任範囲の教育を「仕切る」ことを定めている。つまり、今回の件に即して言えば、日本の教員資格を持たないAETとAETスーパーバイザーとを指揮命令下に置くことを教委・校長・教諭に義務付けているのだ。

労働法、社会保険法侵犯を言い逃れるために学校教育法侵犯を、よりによって「教育」委員会が自ら公然と告白し続けるという、異様の極みである。

高槻市の主張はこんな具合なのだ。

さて、こうした主張に対して支払われたお金(高槻市民が払った税金)の話である。

上述した代理人弁護士が所属する弁護士事務所へは、この高槻AET問題が起こって以降、以下のお金(つまり、高槻市民の税金)が直接・間接にこの問題に関連して支払われている。

1. まず、この弁護士事務所は高槻市と顧問契約を結んでいて、「法律相談等」として、年間1,080,000円が支払われている。

2. 上に述べたように、組合が法遵守を求めて団体交渉を申し込むと「代理人報酬」として、一回、約2時間程度の交渉毎に108,000円。

具体的にはこれまで3回の団体交渉(?)を行ったので合計324,000円。

3. 高槻市は組合活動への対抗策として全員を雇い止めにした。組合はこれを不当労働行為として大阪府労働委員会に救済申立を行った。この件での「代理人委任」の着手金として1,620,000円。委員会の命令の内容次第で成功謝金を更に支払うとの約束付き。

4. 昨年3月、茨木労働基準監督署及び茨木公共職業安定所はそれぞれ、AET、AETスーパーバイザーを労働者として認定する決定を行ったが、高槻市はこの決定の取り消しを求める不服申立を大阪労働局に行い、これに関する「代理人委任」の着手金として1,296,000円。労働局の判定次第で成功謝金を更に支払うとの約束付き。

5. 昨年3月、高槻市教委は組合活動への対抗策としてAETの卒業式からの排除を強行した。組合はこれを不当労働行為として大阪府労働委員会に救済申立を行った。この件での「代理人委任」の着手金として529,200円。委員会の命令次第で成功謝金を更に支払うとの約束付き。

以上、直接ゼネラルユニオンに関わる2.~5.で合計3,769,200円の税金が、上に一部紹介した主張を市の名において行うために、現時点で弁護士事務所へ既に支払われたのだ。更に「働き次第で成功謝金を追加して払う」との約束がついている。つまり、「高槻市がAET、AETスーパーバイザーを20年以上無権利状態に置いてきたことは問題なかった」との高槻市の言い分がいくらかでも認められれば、更に支払いを上積みする、と合意している。

これは「違法」ではなかろう。そうではなく法以前のより根本的な、高槻市を人に例えるならば人間性の問題である。

一体何のためなのか? 誰のためなのか?


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