違法派遣・偽装請負は、まともな直接雇用に!

 雇用破壊もこれくらい長期になると、非正規雇用がメインになって、どちらが正規か非典型か、わからなくなってしまっている。「契約社員・日々雇用・定員外・嘱託・フリーター・ニート・委任・委託・請負・派遣・非常勤・臨時・パート・メイト・フレンド・TEMPORARY・CASUAL、、」など、勝手な造語が氾濫しているが、何れも差別的である。「連合」など大企業労組も、パートの待遇改善や正職員化を言うことがあるが、本音はこれらの権利で会社と闘う意思はまったくなく、永年、労働者使い捨てを容認してきた。

 スーパーでは「フルタイムでも2か月雇用」、巷では、携帯電話を使った「日雇派遣」まで登場してきている。これら非正規労働者への、労組側の対応を嘲笑するかのごとく「復活」したのが「請負」である。これは非正規「雇用」ですらなく、「労働者」ですらない究極の原始的雇用破壊である。

私たちは、派遣法制定に反対したけれども、派遣労働者との連携を怠ってきた。経営者たちは、派遣法を利用しつつ、その条文を踏みにじった。「派遣の3年限度と、その後の派遣先による直接雇用義務」を、最も嫌悪したのだ。

 違法派遣と、偽装請負を拡大してきたのは、日本経団連のキャノン・松下・クボタなどであった。「派遣先か業者のどちらが、業務の指揮命令をしているか」が、派遣法違反の判断基準なのだが、労使一体での製造ライン偽装や、偽装出向などをしてきた。

しかし、「同じ仕事なのに、身分も待遇も違う」ことに怒りを燃やした労働者たちは、これを打ち破り、内外への告発となった。

派遣元・派遣先での労組組織化で、ユニオンが摘発の主導権  ゼネラルユニオンの多言語ホットラインにも、最近、「雇用されたつもりが、労働者でない、と言われた」「社員でなく、派遣だときかされた」「請負だから、年休も解雇手当もなく、団交義務もない」「いったい、私は何?」と言った深刻な相談が激増している。「個人請負か雇用か?」を審査する労基署も、複雑な労働者性判断では嫌がって動かない。

「請負か派遣か?」を審査する全国の労働局/需給事業調整事業部も、殺到する申告でパニック化し、職員も過労死直前状態で右往左往している。で

も、ユニオンは真っ向勝負に出た。これらの派遣や請負労働者の相談に向き合い、組合員として組織化することは、派遣元と派遣先の法違反が一目瞭然となることであり、法違反の情報を誰よりも、行政よりも把握する結果となった。

始まった直接雇用獲得

 松下電器&椙山女学園

 「世界の松下」を支えてきた国際研修部門の講師が、「雇用でなく、個人請負=一人親方」とされた事件で、ゼネラルユニオンは、4年間もの争議の末、06年に完全勝利した。直接雇用どころか、遡った年休付与、慰謝料、さらには、松下とゼネラルユニオン間の組合費数十名分のチェックオフまで協定化させた。

 今春にも直接雇用させた勝利事例がある。東京にある「後楽園イングリッシュセンター」は、全国の学校に講師を送っている派遣元なのだが、この大半が偽装請負であり、06年3月に椙山学園で起きた労災事故から、偽装が発覚した。名古屋や東京での精力的団交の末、ついに、07年3月になって、派遣先=椙山女学園での直接雇用が実現した。講師たちはそれぞれ「直接雇用を希望するか否か」を表明し、派遣当時の労働条件を上回る条件で採用された。

  枚方市教委が、「請負をやめ、直接雇用に」と回答  3月末の記者発表で、ゼネラルユニオンから発表された「大阪府下23教委の偽装請負」は、年度末にまたがり、当局の混乱をもたらしている。【本誌前号参照】。

3月23日の、おおさかユニオンネットワーク主催の「春闘大阪総行動」でも、府教委前集会がもたれ、NHKでも放映された。さらに、組合員の居る居ないに関わらず、全教委に労組要求が送付され、マスコミ取材も続いている。

大阪労働局も、立入り調査をほぼ完了しているが、「派遣法違反なので、適正な?派遣・適正な?請負に」などの、禅問答のような非現実的指導もしている。「授業の指揮管理を業者に戻せば、派遣法違反にはならない」というのが論拠であるが、そんなことしたら、「学校教育法違反」となり、文科省が黙っていない。

さらに、今春の厚労省通達で「偽装請負が3年を経過しておれば、派遣に戻すのではなく、派遣法の直接雇用義務が優先される」と明記されている、のに矛盾する。

 そんな折、枚方市教委は、ゼネラルユニオンとの団交後、直接雇用の要求を受入れた。ここでは、ゼンケン・ECC・IESが派遣元なのだが、このすべての【違法】派遣労働者に意思確認を行ない、希望者全員を、公務員として採用することになる。業者はそれを妨害できない。

他の市でも激論が沸騰し、混乱の極に達しているが、議会などの抵抗を突破し、行革に逆らう増員を実現していくため、我々の闘いは続く。

  大阪市教委は本当に「派遣?」

 この全教委の際、大阪市教委は、「派遣労働者の人数は?」との調査に対して、「業者任せで、掌握していない、人数でなく業務で契約している」と答えた。するとこのケースは「派遣を装った請負=偽装派遣」となり、やはり、派遣法違反であり、指揮管理しておらず、学校教育諸法にも抵触する。

 相手側業者は、「授業料返還の最高裁判決」と「駅前殺人事件」で、危機が叫ばれているNOVAと、請負の関東での圧倒的シェアを誇っている派遣会社である。

   派遣に偽装していても、3年しかできないし、いったい、何の目的でこんなユニークな法違反をしたのか理解に苦しむ。市が、派遣会社に発注したとのの建値は、日給2万5千円と判明したが、本人には、その半分しか渡っていない。社会保険すら入れていない。アウトソーシングをお題目のように唱えながら、労働法に無知な市教委に対し、「教委が直接雇用すれば、1人当り年額500万円かかる」という詐欺のようなセールストークをしたそうである。直接雇用より割高な派遣など、税金の無駄使いでもある。

 でも容赦はしない。「臨職公務員の3年使い捨て」、公務員労組攻撃、釜が崎やテント生活者への大弾圧で有名な大阪市であり、相手に不足はない。これら法違反を徹底的に明らかにし、闘いぬく決意である。

 

 


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